圧縮記帳の対象となる交換の範囲|法人税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
A社は、その所有する土地、建物(住宅)を他の法人の所有する土地、建物(住宅)と交換し、双方ともその交換後直ちに住宅を取り壊して店舗用建物を新築することとしています。
この場合の交換は、土地の利用を目的とするものですから、土地の交換として法人税法第50条((交換の場合の圧縮記帳))の適用がありますか。
なお、交換差金の額は、土地については20%以下、建物については20%超、土地、建物の合計については20%以下となっています。また、いずれも交換のために取得したものではありません。
【回答要旨】
法人が2以上の種類の固定資産を交換した場合、例えば、土地及び建物と土地及び建物とを交換したときには、税務上は、土地は土地と建物は建物とそれぞれ交換したものとされます(法人税基本通達10−6−4)。
したがって、土地及び建物と土地及び建物との交換が行われた場合、たとえ交換後当該建物を取り壊すこととしていても、交換に当たり当事者が当該建物を時価評価して交換の対象にしているのであれば、税法上は、土地と土地、建物と建物の2つの交換が行われたものとして扱わざるを得ません。
照会の場合は、土地については交換差金の額が取得資産の価額又は譲渡資産の価額のいずれか多い金額の20%以下であることから法人税法第50条の規定の適用がありますが、建物については交換差金の額が20%超であることから同条の規定の適用を受けることはできません。
なお、仮に建物に係る交換差金の額が20%以下であったとしても、本件の場合には、建物を譲渡の直前の用途と同一の用途に供しない(取り壊す)ため、同条の規定の適用を受けることはできません。
また、交換後の建物の取壊し損失は、圧縮記帳後の土地の取得価額に加算することとなります(法人税基本通達7−3−6)。
【関係法令通達】
法人税法第50条
法人税基本通達7−3−6、10−6−4
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生 ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/07/07.htm
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