棚卸資産たる土地を譲渡担保に提供した場合の取扱い|法人税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
A社は、土地分譲業者ですが、不況で土地が売れず、その造成費5億円の支払ができなくなったので、その造成に係る未払金を借入金に振り替え、その債務弁済の担保として造成地の一部を次の条件の下で相手方に譲渡しました。
このような場合にも、その譲渡はなかったものとして取り扱ってよろしいでしょうか。
借入金について返済期限を定め、分割返済する。履行不能の場合には担保物を引き渡すが、その時の価額で清算を行う。
借入金について通常の利子を支払う。
担保物に係る固定資産税等の管理費用は、A社の負担とする。
A社は担保物についても販売行為を行い、売れた都度、その部分について契約を解除して登記名義を取り戻した上で顧客に引き渡す。
【回答要旨】
譲渡担保として認められ、その担保として提供した時点では譲渡がなかったものとして経理しているときは、その処理が認められます。
(理由)
法人税基本通達2−1−18((固定資産を譲渡担保に供した場合))は、「固定資産」を譲渡担保に供した場合の取扱いを定めたものですが、棚卸資産を譲渡担保に供した場合であっても、照会事例のようなからまでの条件が付されているものについては、明らかに借入れのための担保の提供と認められますから、これに準じて取り扱われることとなります。
【関係法令通達】
法人税基本通達2−1−18
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/01/02.htm
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