吸収合併により消滅会社のストックオプションに代えて存続会社から交付されるストックオプションについて権利行使価額等の調整が行われる場合|源泉所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
当社は、吸収合併により消滅することとなったため、取締役等に新たに付与していた税制適格ストックオプションは消滅し、吸収合併契約に基づき存続会社からストックオプションが新たに交付される予定です。
この存続会社から交付されるストックオプションについては、当社が取締役等に付与していたストックオプションの付与株数及び権利行使価額を基に合併比率で調整されることになりますが、引き続き税制適格要件を満たすものと取り扱って差し支えありませんか。
(注) 消滅会社のストックオプションに代えて存続会社のストックオプションが交付されることについては、会社法第236条第1項第8号の規定に基づき、ストックオプション(新株予約権)の内容としてあらかじめ定められています。
【回答要旨】
照会のストックオプションについては、引き続き税制適格要件を満たすものと取り扱って差し支えありません。
吸収合併が行われた場合、消滅会社のストックオプションは吸収合併の効力が生ずる日において消滅し、その消滅会社のストックオプションに代えて存続会社のストックオプションが交付されたとしても、存続会社において新たに交付するストックオプションに係る株主総会の決議(会社法第238条第2項)が行われるものではなく、消滅会社における付与決議に基づくストックオプションの内容に従って交付されるものであることから、その新株予約権の行使は当初の付与契約の内容に従って行使するものと認められます。
また、吸収合併に当たってストックオプションの付与株数及び権利行使価額を合併比率によって調整することは、ストックオプションの権利者に対してのみ有利になるような恣意的なものでなければ、株式分割等の場合の権利行使価額の調整と同様に、経済的価値を同額にするための付与株式数と権利行使価額の数字上の調整に過ぎませんので、引き続き税制適格要件を満たすものとして差し支えありません。
【関係法令通達】
租税特別措置法第29条の2、会社法第236条、第238条、第749条、第750条
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/gensen/03/40.htm
関連する質疑応答事例(源泉所得税)
- 米国人プロゴルファーに支払う賞金
- 労働保険事務組合が社会保険労務士に支払う金員
- 青色事業専従者である妻
- スタイリスト料及びヘアメイク料
- 登録政治資金監査人に支払われる政治資金の監査等業務に対する報酬に係る源泉徴収の要否
- 公共法人等が利子計算期間の中途で外国法人から国外公社債を取得した場合の利子の課税関係
- 給与等の支払を受ける者が常時10人未満であるかどうかの判定
- 校閲の報酬
- アルバイトに支給する通勤手当の非課税限度額
- 日本の大学で教えていた米国人が帰国後に支払を受ける退職金に対する交換教授条項の適用
- 会社設立発起人が受ける報酬の所得区分
- 有価証券の購入時に保管の委託等をしなかった場合の障害者等マル優制度の適用の是非
- 緊急業務のために出社する従業員に支給するタクシー代等
- 定年前退職者等に支給する転進助成金
- 外国で取得した建物に係る借入金の利子
- 吸収合併により消滅会社のストックオプションに代えて存続会社から交付されるストックオプションについて権利行使価額等の調整が行われる場合
- 非居住者の有する土地等を収用する場合
- みなし退職所得に対する租税条約の適用関係
- 障害者が2キロメートル未満を交通用具で通勤する場合の通勤手当の非課税限度額
- 外貨建の生命保険契約に基づく年金が年に複数回支払われる場合の源泉徴収の要否の判定
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。