弁済供託する場合の源泉徴収義務|源泉所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
A社は、国内に恒久的施設を有しない非居住者Bから国内にある建物の一室を事務所として賃借しており、その賃借料については、非居住者に対する不動産の賃借料(所得税法第161条第3号)として、従来から源泉徴収を行っていました。
この度、事務所の賃借料について、Bから値上げを要求されましたが、いまだ折り合いがつかず合意に至っていません。そのため、A社は賃貸借契約で定められている現行の賃貸料を支払おうとしたところ、Bから、賃借料の値上げに合意していないことを理由として現行の賃借料の受領を拒否されたため、A社は、法務局へ弁済供託することとしましたが(民法494条)、源泉徴収をする必要がありますか。
【回答要旨】
弁済供託する日を不動産の賃借料の支払日として、源泉徴収をする必要があります。
源泉徴収の対象となる所得の「支払」の際には、源泉徴収が必要とされていますが、この場合の「支払」には、現実に金銭を交付する行為のほか、元本に繰り入れ又は預金口座に振り替えるなどその支払の債務が消滅する一切の行為が含まれることとされています(所得税基本通達181〜223共-1)。
照会のように、賃借料を支払おうとしても、賃借料の値上げを理由として家主に受け取ってもらえないなど、債権者の受領拒否を原因として法務局へ弁済供託する場合、その債務は消滅することとなりますので(民法第494条)、その弁済供託する際に源泉徴収をする必要があります。
【関係法令通達】
所得税基本通達181〜223共-1、民法第494条
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/gensen/01/13.htm
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