源泉徴収の対象となる所得の支払地の判定|源泉所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
内国法人A社は、ドイツ法人から特許権の使用許諾を受け、使用料を支払うこととなりました。本年10月の支払分については、役員Bがドイツに出張することから、たまたま役員Bがその対価を現地で支払うこととしていますが、この場合、使用料は国外で支払うものですから、源泉所得税は11月末日までに納付すればよいと思いますがどうですか。
【回答要旨】
金銭の交付が国外で行われたものであっても、国内でその支払事務が取り扱われたと認められるものについては国内払に該当し、源泉所得税は支払の翌月10日までに納付しなければなりません。
国内源泉所得が国外において支払われる場合とは、
利子・配当等について、契約に基づく支払代行機関が国外に置かれ、当該代行機関を通じて利子・配当等を支払う場合
国内で勤務する非居住者に対して、その給与等を国外の本店等が支払う場合
などが考えられます。
これらの場合には、源泉徴収の対象となるものの支払事務を取り扱う場所が国外にあり、国内には源泉所得税の納税地は存在しません。ただし、当該支払をする者が国内に事務所等を有する場合は、国内で支払うものとみなして源泉徴収を行うこととなり、このときの納期限は支払った月の翌月末日となります(所得税法第212条第2項)。
出張した際に支払を行うような場合は、その支払事務(支払額の計算、支出の決定、支払資金の用意、金員の交付等の一連の手続)は国内で取り扱われたものと認められることから、国内払となり、支払の翌月10日までに納付する必要があります(所得税法第212条第1項)。
【関係法令通達】
所得税法第212条
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/gensen/01/11.htm
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