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差押処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成21年(行ウ)第301号)|平成23(行コ)148

[納付義務者][納税義務者][相続税法][国税通則法]に関する行政事件裁判例(裁判所)。

行政事件裁判例(裁判所)

平成23年10月26日 [納付義務者][納税義務者][相続税法][国税通則法]

判示事項

1 相続税法34条1項(平成15年法律第8号による改正前)に規定する相続人間の連帯納付義務と憲法29条1項
2 相続税法34条1項(平成15年法律第8号による改正前)に規定する相続人間の連帯納付義務と憲法31条
3 本来の納税義務者に対して生じた時効中断の効力は相続税法34条1項(平成15年法律第8号による改正前)に基づく連帯納付義務者に及ぶか

裁判要旨

1 相続税法34条1項(平成15年法律第8号による改正前)に規定する相続人間の連帯納付義務は,共同相続人中に無資力者があることに備え,相続税の徴収の確保を図るため,他の共同相続人等に特別の履行責任を課すものであるところ,これにより当該連帯納付義務を課せられた相続人等の財産権を制限することになるとしても,租税の確実な徴収を目的とするものであり,その規制目的は正当なものというべきであり,かつ,同項の連帯納付義務が課されるのは原則として本来の納付義務者と同じ原因に基づき共同相続人となった者という一定の身分関係にある者に限られ,納付責任の範囲も相続によって利益を受けた限度に限られているのであって,その規制手段が前記規制目的との関連で著しく不合理であるため立法府の合理的裁量の範囲を超えるとも認められないから,憲法29条1項に違反しない。
2 相続税法34条1項(平成15年法律第8号による改正前)に規定する相続人間の連帯納付義務は,その発生要件及び範囲が一義的かつ明確に定められており,各相続人等の固有の相続税納税義務が納税申告等によって確定すれば,法律上当然に発生するものであって,そもそも同納税義務に係る確定手続とは格別の確定手続を求める意味がなく,また,連帯納付義務を課せられる者が原則として本来の納付義務者と同じ原因に基づき共同相続人となった者という一定の身分関係にある者に限られ,納付責任の範囲も相続によって利益を受けた限度に限られているのであって,その発生及び追及を予期してこれに備えることや他の共同相続人の相続税の納付状況を確認すること等も可能であり,不意打ち防止のために格別の確定手続が必要不可欠であるともいえない上に,連帯納付義務者は,連帯納付義務に係る徴収処分の段階において,その固有の法定要件等を争うことができるから,憲法31条に違反しない。
3 本来の納税義務者に対して生じた時効中断の効力が相続税法34条1項(平成15年法律第8号による改正前)に基づく連帯納付義務者に及ぶかについては,国税通則法8条による民法440条の規定の準用の有無が問題となるが,国税通則法8条は,国税の連帯納付義務について民法の連帯債務に関する規定が準用されることを通則的に定めたものであり,民法上の個別の規定の準用の当否は,当該国税の性質や当該連帯納付義務が課されている理由を考慮して個別に判断すべきであるところ,前記連帯納付義務は,自らが負担すべき固有の納税義務のほかに負う特別の責任であり,各相続人等に対して当該相続等により受けた利益の価額に相当する金額を限度として連帯納付義務を負担させることによって,事実上,財団としての相続財産を相続税徴収の対象とするのと類似の機能を果たすことを意図している点で,民法上の連帯債務と性質を異にし,本来の納税義務者が負担する納付義務と前記連帯納付義務の関係は,民法上の主たる債務と連帯保証債務の関係に類似することに照らせば,前記連帯納付義務に係る徴収権がそれによって担保される本来の納税義務者に対する租税債権と別個に時効消滅するということは想定されていないというべきであるから,本来の納税義務者に対して生じた時効中断の効力は,前記連帯納付義務者に及ぶものと解するのが相当である。
裁判所名
東京高等裁判所
事件番号
平成23(行コ)148
事件名
差押処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成21年(行ウ)第301号)
裁判年月日
平成23年10月26日
分野
行政
全文
全文(PDF)
裁判所:行政事件裁判例
差押処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成21年(行ウ)第301号)|平成23(行コ)148

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