所得税更正処分取消等請求事件|平成21(行ウ)134
[所得税法]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
平成23年5月27日 [所得税法]判示事項
所得税法72条に定める雑損控除に関して,自宅建物の取壊しに伴い支払ったアスベスト除去工事費用及びアスベスト分析検査試験費につき,同法施行令9条所定の「人為による異常な災害」による損失に当たらないとしてした所得税の更正処分が,適法とされた事例裁判要旨
所得税法72条に定める雑損控除に関して,自宅建物の取壊しに伴い支払ったアスベスト除去工事費用及びアスベスト分析検査試験費につき,同法施行令9条所定の「人為による異常な災害」による損失に当たらないとしてした所得税の更正処分につき,同条にいう「人為による異常な災害」により損失が生じたというためには,少なくとも,納税者の意思に基づかないことが客観的に明らかな,納税者の関与しない外部的要因(他人の行為)による,社会通念上通常ないことを原因として損失が発生したことが必要であるとした上,建築施工業者がクリソタイル(白石綿)を含んだ建築部材を使用して当該建物を建築したことは,建築請負契約又は包括的委託(承諾)に基づくものであって,納税者の意思に基づかないことが客観的に明らかな,納税者の関与しない外部的要因を原因とするものということはできず,また,当該建物の建築後アスベスト(石綿等)に関する規制が行われたことは,建築部材などに一般に用いられていたアスベスト(石綿等)について,人体に与える有害性が判明したことに伴い,解体建物周辺への飛散や解体労働者の曝露を防止するべく,公共の福祉の観点から法的規制が行われたものであって,社会通念上通常ないことには該当しないから,当該建物にアスベストが含まれていたことは,同条にいう「人為による異常な災害」に該当するとはいえないとして,前記更正処分を適法とした事例- 裁判所名
- 大阪地方裁判所
- 事件番号
- 平成21(行ウ)134
- 事件名
- 所得税更正処分取消等請求事件
- 裁判年月日
- 平成23年5月27日
- 分野
- 行政
- 全文
- 全文(PDF)
- 裁判所:行政事件裁判例
- 所得税更正処分取消等請求事件|平成21(行ウ)134
関連するカテゴリー
関連する裁決事例(所得税法)
- 請求人が必要経費に算入した開業費の償却費、接待交際費及び旅費交通費の各費用は、業務の遂行上必要なものとは認められず、必要経費に算入することはできないとした事例
- 裁判上の和解により買主である請求人が支払を受けた和解金を一時所得に該当するものであるとした事例
- 使用人兼務役員として勤務する会社の適格退職年金制度の廃止に伴い、年金信託契約の受託者から受領した一時金は、所得税法第31条に規定する退職手当等とみなす一時金ではなく一時所得に該当するとした事例
- 借入金の一部を定期預金に流用していた場合に、当該借入金に係る支払利息を事業上の必要経費と認めた事例
- 不動産売買業を営む法人が、土地売買により生じた簿外収益の一部を同法人の実質的代表者に賞与として支給したものと認定し、源泉徴収に係る所得税の納税告知処分をしたことは適法であるとした事例
- 青色申告の対象となる業務を行っていない年分の譲渡損失は、純損失の繰戻しによる還付請求は認められないとした事例
- 請求人の事業所得の金額を推計により算定する際に用いた同業者率の算定が合理的でないとした事例
- 預託金返還請求権をその預託先であるゴルフ場経営法人に対して行使した場合には、資産の譲渡には該当しないとした事例
- 請求人と請求人の夫が2分の1ずつ共有する店舗をゲーム場とし、請求人の夫がB会社とゲーム場の運営に関する契約を締結してそのゲーム場から生じた所得は、請求人の夫に帰属する事業所得であるとした事例
- 請求人の代理店は、請求人との販売委託契約書に基づき請求人の扱っている商品について、請求人と顧客との販売契約の申込みの勧誘等の業務委託を受け、請求人と顧客との売買契約の締結を媒介する役務を請求人に提供していることから、所得税法第204条に規定する外交員に該当するとした事例
- 本件寺院は人格のない社団に該当すると認められるから、信徒が伽藍新築工事のために寄附した金銭は寺院に帰属するとして、当該金銭を住職の事業所得として課税した原処分を取り消した事例
- ソフトウエアに係る著作権を侵害したとして外国法人に対し支払った金員は、所得税法第161条《国内源泉所得》第7号ロに規定する著作権の使用料に当たるとした事例
- 仮に、本件現物出資に係る錯誤が民法第95条にいう錯誤に当たるとしても、本件現物出資の無効の主張は、訴えをもって行うべきであって、本件審査請求において、直接このような主張をすることは許されないとした事例
- 請求人は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した一部の経費について、不動産賃貸業の遂行上直接必要であった部分を明らかにしていないことから、当該経費を必要経費に算入することはできないとした事例
- 家屋の明渡しに際し支出した弁護士費用は立退料を取得するための必要経費に当たるとした事例
- ゴルフ会員権の平日会員権から正会員権に転換するための資金の借入金利子は、本件転換に必要な準備費用に該当するものとして、使用開始の日までの期間に対応する部分について取得費に該当するとした事例
- 一般貸切旅客自動車運送を業とする法人が、バスガイドに対しガイド料として支払った金員は、給与等に当たるとした事例
- 売買契約をした土地のうち一部の引渡しが不能になった場合において、引き渡した部分についてのみ譲渡があったものと認定した事例
- 土地賃貸借契約の存否の争いに関する慰謝料名義の金員について、その実質は、貸地の権利金であると認定した事例
- 法人の代表者が当該法人所有の資産を無償で専属的に利用したことは、経済的利益を享受していることに当たるから、源泉所得税の課税対象となるとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。