本件保証債務については、いずれもその保証を行うことが請求人の税理士等の事業の遂行上必要であったと客観的に認められる特段の事情はないとみるのが相当であるから、所得税法第51条第2項及び同法施行令第141条にいう「その事業の遂行上生じた保証債務」には該当しないとした事例
[所得税法][必要経費][事業所得]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1995/02/28 [所得税法][必要経費][事業所得] 請求人は、自己の顧問先であるE社及びF社(以下、これらを併せて「両社」という。)の借入金を保証したのは、会計事務所としてのマネ−ジメントサ−ビスによる報酬額の増加及び事業経費の削減を図るためのもので、税理士等の事業の遂行上必要なものであるから、本件保証債務の履行による損失の金額については、所得税法第51条第2項及び同法施行令第141条の規定に該当し、事業所得の金額の計算上必要経費に算入すべきであり、また、本件利子割引料の額については、本件保証債務の履行に伴う借入金に係る支払利息の額であるから、事業所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張する。
しかしながら、本件保証債務については、いずれもその保証を行うことが請求人の税理士等の事業の遂行上必要であったと客観的に認められる特段の事情はないとみるのが相当であるから、所得税法第51条第2項及び同法施行令第141条にいう「その事業の遂行上生じた保証債務」には該当しないというべきである。
また、本件保証債務の履行による損失の金額は、請求人の事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないと認められるから、本件保証債務の履行に伴う借入金の利子割引料の額についても所得税法第51条第2項及び同法施行令第141条の規定を適用することはできず、請求人の事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。
平成7年2月28日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 本件保証債務については、いずれもその保証を行うことが請求人の税理士等の事業の遂行上必要であったと客観的に認められる特段の事情はないとみるのが相当であるから、所得税法第51条第2項及び同法施行令第141条にいう「その事業の遂行上生じた保証債務」には該当しないとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(所得税法>必要経費>事業所得)
- 請求人の青色申告の特典控除前の所得金額に、同業者の青色申告の特典控除前の所得金額に占める妻の青色事業専従者給与の額の割合の平均値を乗じて算定した金額を必要経費に算入できる額としたことは、合理的な認定方法であるとした事例
- 事業の用に供していた資産の譲渡損について一部認容した事例
- 修士及び博士課程の授業料等並びに米国の大学への寄付金は弁護士業に係る事業所得の必要経費とすることはできないとした事例
- 事業所得に係る所得税等の納付のために借り入れた借入金の利子は必要経費に算入することはできないとした事例
- 請求人がb町区長等に対して支払った金員は、事業所得の金額の計算上必要経費に算入されるとした事例(平成22年分の所得税の更正の請求に対する更正処分・一部取消し・平成26年12月4日裁決)
- 請求人の夫は青色事業専従者に該当しないとした事例
- ロータリークラブの会費等は必要経費に算入できないとした事例(平成22年分及び平成23年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却・平成26年3月6日裁決)
- 歯科医師が実施した歯科技工に関する研修及び研究開発等に関係会社の歯科技工士等が参加協力したことに対して支出した金品は当該歯科医師の事業所得の金額の計算上必要経費に該当するとした事例
- 法人成りにより個人事業を廃業した年分に、繰延資産(医師会の入会金等)の未償却残額を資産損失として必要経費に算入することはできないとした事例
- 請求人が支出した諸会費等が家事関連費に該当するとしても、業務の遂行上直接必要な部分を明らかにすることができないから、必要経費の額に算入することはできないとした事例
- 株式取得のための借入金の利子は配当所得の必要経費であり事業所得の必要経費ではないとした事例
- 無効な行為により生じた経済的成果がその行為の無効であることに基因して失われたことによる返還債務は、それが現実に返還されるまでは担税力があり、現実に返還したときに必要経費に算入されるとした事例
- 請求人が業務の用に供するために取得した土地建物に係る借入金の利子について、当該土地建物は放置したまま何ら業務の用に供されていないから必要経費に算入されないとした事例
- 本件土地の取得に要した借入金の支払利子は、不動産所得あるいは事業所得の金額の計算上必要経費に算入することができないとした事例
- 事業所得の金額の計算上、仮装した事実等により総収入金額及び必要経費を算出していたとした事例
- 青色事業専従者給与の支払に充てられた資金の原資が請求人の給与収入から請求人の事業に振り替えられたもの(事業主借)であることを理由に、青色事業専従者給与の支払額全額が、請求人の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入できないとした原処分庁の主張を排斥した事例(平成22年分〜平成24年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・一部取消し・平成27年4月13日裁決)
- 1. 請求人が架空の必要経費を計上し、多額の所得金額を脱漏したばかりか、調査担当職員に帳簿書類の保存がない等の虚偽の答弁をしたことは、国税通則法第68条第1項に規定する「隠ぺい又は仮装」に当たるとされた事例2. 更正処分により賦課される事業税の額を見込額で必要経費に算入すべきとの請求人の主張が排斥された事例3. 請求人が会計データを保存していたフロッピーディスクに不具合が生じ、出力不可能となったこと等を理由に帳簿書類等を提示しなかったことは、青色申告承認取消事由に当たるとされた事例
- ロータリークラブの会費は事業所得の金額の計算上必要経費の額に算入することはできないとした事例
- 一括払いの積立普通傷害保険の保険料のうち満期返戻金等の原資となる積立保険料部分は、業務遂行上必要な費用とは認められないから、保険料支払のための借入金に係る利息のうち、積立保険料に対応する額は、事業所得の金額の計算上必要経費とは認められないとした事例
- 請求人の従業員は、青色事業専従者である配偶者のみであるところ、従業員等のレクリェーションのため慰安旅行をし福利厚生費として処理したが、サラリーマン家庭が行う通常の家族旅行と何ら異なる点は認められないとして否認した事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。