個人事業主の死亡は当然に雇用契約の終了事由、事業廃止原因であるから、従業員に支給する退職金の必要経費算入を認めるべきであるとの請求人の主張が排斥された事例
[所得税法][必要経費][事業所得]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1999/12/09 [所得税法][必要経費][事業所得] 請求人らは、工具類販売業を営んでいた被相続人の所得税の事業所得の金額の計算に当たり、個人事業主の死亡は当然に雇用契約の終了事由、事業廃止原因であり、退職金規程に事業主死亡が退職金支給事由として明記されていなくとも退職金支給債務が発生したとして、従業員6名に対する退職金の必要経費への算入を認めるべきである旨主張する。
しかしながら、被相続人の事業は被相続人の一身に専属する性質のものではなく、相続の対象となり、雇用契約は相続人に承継されるから、被相続人の死亡は雇用契約の終了原因にはならない。
また、当該従業員らは被相続人死亡後も引き続き勤務し、勤務条件、勤務内容に重大な変更はなく、被相続人の事業は、相続人に承継されており廃止されていないから、雇用契約は終了していない。
したがって、本件退職金は確定した債務とはいえず、請求人らの主張には理由がない。
平成11年12月9日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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