歯科医師が実施した歯科技工に関する研修及び研究開発等に関係会社の歯科技工士等が参加協力したことに対して支出した金品は当該歯科医師の事業所得の金額の計算上必要経費に該当するとした事例
[所得税法][必要経費][事業所得]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1986/01/27 [所得税法][必要経費][事業所得]裁決事例集 No.31 - 28頁
歯科医師である請求人が実施した歯科技工に関する研修及び研究開発等に対して自己が役員をしている関係会社の歯科技工士等が参加協力したことは、その目的及び内容からして当該歯科技工士等の歯科技工に関する知識及び技術が高まるなど当該歯科技工士等自身のため及び当該関係会社の本来の業務に寄与する要素もあることも否定できないが、歯科技工士等を参加させて行う当該研修及び研究開発等は歯科医師が業務の一貫として実施するのが業界の通例であることから、主として、請求人が請求人本来の業務に当該歯科技工士等を参加協力させたと認めるのが相当である。
したがって、請求人が実施した当該研修及び研究開発等に参加協力した当該歯科技工士等に対して支出した金品は、その参加協力に対する謝礼であり、それは請求人の業務と関連性、必要性からみて、収入と相当の因果関係を有し、有益かつ、有効なものであり、また、その支出目的、支出の相手、支出金額も社会通念からみて不相応なものではなく、合理性が認められるから、当該歯科医業務に係る事業所得の金額の計算上必要経費に算入するのが相当である。
昭和61年1月27日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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