賃借人のいる建物をその土地と共に取得した後、賃貸借契約の解除に伴い賃借人に支払った立退料は、土地の取得費に算入すべきであるとした事例
[所得税法][必要経費][不動産所得]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1988/03/17 [所得税法][必要経費][不動産所得]裁決事例集 No.35 - 57頁
建物等の存する土地をその建物等と共に取得した場合において、その取得後おおむね1年以内に当該建物の取壊しに着手するなど、その取得が当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるときは、当該建物等の取得に要した金額及び取壊しに要した費用の額の合計額は、当該土地の取得費に算入するものと解されているところ、請求人は昭和56年8月18日に本件土地建物を取得し、昭和57年6月21日付で9階建のビルの建築確認申請書を提出し、昭和57年9月27日に本件建物の賃貸借契約の解除を行って立退料を支払っており、建築確認申請書及び同付属書類によれば、本件土地の敷地を含めた土地全部が同ビルの建設予定敷地とされていること等からみて、請求人の本件土地建物の取得は、当初から本件建物を取り壊した上、本件土地をビルの敷地に供する目的であったといわざるを得ないから、本件立退料相当額は、不動産所得の必要経費ではなく、本件土地の取得費に算入すべきである。
昭和63年3月17日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 賃借人のいる建物をその土地と共に取得した後、賃貸借契約の解除に伴い賃借人に支払った立退料は、土地の取得費に算入すべきであるとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(所得税法>必要経費>不動産所得)
- 不動産所得について青色事業専従者給与の必要経費算入を容認した事例
- 請求人が代表取締役を務める同族会社に対し不動産の管理費として支払った金員は、証拠によれば、当該同族会社が行った管理業務の対価であると認められるとした事例
- 本件土地等は、貸付けの用に供されることが客観的に明らかとは認められないから、不動産所得を生ずべき業務の用に供されている資産には該当せず、本件土地等の取得に要した借入金利子等の額は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないとした事例
- 相続により取得した賃貸用建物については、中古資産としての耐用年数を適用することができないとした事例
- 請求人は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した一部の経費について、不動産賃貸業の遂行上直接必要であった部分を明らかにしていないことから、当該経費を必要経費に算入することはできないとした事例
- 平成13年3月の相続により取得した建物の減価償却費の計算及びその方法は定額法によるとした事例
- 不動産貸付業務遂行上、直接関連のないゴルフ接待費用は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないとした事例
- 不動産所得の金額の計算上、生計を一にする親族に支払った土地賃借料は必要経費に算入されないとした事例
- 新たに賃貸用として利用すべく準備している土地の固定資産税は、不動産所得を生ずべき業務について生じた費用とは認められないとした事例
- 賃借人のいる建物をその土地と共に取得した後、賃貸借契約の解除に伴い賃借人に支払った立退料は、土地の取得費に算入すべきであるとした事例
- 鉄筋コンクリート造り店舗共同住宅の外壁等の補修工事に要した金員は修繕費に当たるとした事例
- 平成14年1月4日の相続により取得した建物の減価償却費の計算及びその方法は定額法によるとした事例
- 同族会社に支払った不動産の管理料について、所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認》を適用せず、同族会社は管理行為を行っていないとして、所得税法第37条《必要経費》により、その全額の必要経費算入を認めなかった事例
- 請求人が耐用年数の短縮を求める理由は、本件建物自体の構造等に変化が生じて物理的、客観的に使用可能期間が短くなったという事由ではなく、取壊しの行われることが将来予定されているという本件契約当事者の取決めを理由とするものであるので、所得税法施行令第130条第1項に掲げる事由には該当しないとした事例
- 物納した土地上の賃貸用建物に係る本件解約損害金及び本件取壊し費用は、不動産所得を生ずべき業務について生じた費用には該当せず、譲渡費用に該当するとした事例
- 不動産の貸付先に対する貸付金の貸倒れによる損失は、その不動産貸付業の遂行上生じたものではないから、必要経費とすることはできないとした事例
- 請求人の子が代表取締役を務める法人は、賃貸の目的物に係る管理業務を行っているから、同法人に対して支払った管理費は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるとした事例
- 業務用の固定資産の取得に伴い納付することとなる租税公課等は、当該固定資産の取得価額に算入されず、業務上の必要経費に算入されるとした事例
- 請求人が代表取締役を努める同族法人に対する建物の貸付けは、使用貸借であると認められることから、建物の貸付けによる所得には該当しないとして、本件建物に係る必要経費は認められないとした事例
- 相続を原因とする所有権移転の登記に係る登録免許税は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できないものとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。