所得税更正処分取消等請求事件|平成18(行ウ)747
[所得税法][租税特別措置法][過少申告加算税]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
平成20年8月28日 [所得税法][租税特別措置法][過少申告加算税]判示事項
シンガポール共和国において設立された外国法人の株式を保有する者に対し,前記法人が租税特別措置法(平成14年法律第79号による改正前)40条の4第1項の特定外国子会社等に当たるとして,前記法人の課税対象留保金額を同人の総収入金額の額に算入してされた,所得税の更正処分のうち確定申告額を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処分が,いずれも適法とされた事例裁判要旨
シンガポール共和国において設立された外国法人の株式を保有する者に対し,前記法人が租税特別措置法(平成14年法律第79号による改正前。以下同じ)40条の4第1項の特定外国子会社等に当たるとして,前記法人の課税対象留保金額を同人の総収入金額の額に算入してされた所得税の更正処分のうち確定申告額を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処分につき,一方締結国の企業の利益については,原則としてその一方締結国のみが課税することができる旨を規定する「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定」7条1項は,企業がその事業活動等を行うことによって得た利益に対する課税権限の分配を定めたものであって,企業がその利益を配当等によって移転した場合に,それに対して課税することは,同項の対象ではないというべきところ,租税特別措置法40条の4は,本来,特定外国子会社等から我が国に居住する株主に利益移転がされるのが当然であると解される場合であるにもかかわらず,それがされていないときに,本来あるべき利益移転があったものとみなして,そのあるべき利益移転によって株主である我が国の居住者が得たとみなされる所得に対して課税するものであって,これが,シンガポール法人が事業等によって得た利得に対して課税するものでないことは明らかであるから,同条は前記協定7条1項に反するものではないとした上,前記法人は,同法40条の4第3項に規定する適用除外要件を満たさないなどとして,前記各処分をいずれも適法した事例- 裁判所名
- 東京地方裁判所
- 事件番号
- 平成18(行ウ)747
- 事件名
- 所得税更正処分取消等請求事件
- 裁判年月日
- 平成20年8月28日
- 分野
- 行政
- 全文
- 全文(PDF)
- 裁判所:行政事件裁判例
- 所得税更正処分取消等請求事件|平成18(行ウ)747
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