同業数社間で締結している拠出金還元金規約に基づく拠出金について寄付金と認定した事例
[法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1977/08/09 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]裁決事例集 No.14 - 27頁
請求人は、同業のグループ数社と新仕入先の共同開発を目的として、一定の方法により請求人等グループ各社が拠出した金額を新仕入先からの販売金額に応じて還元することを内容とする規約を締結し、拠出金額のうち還元金額を超過する部分の金額を仕入拡張費として損金に計上した。
しかしながら、請求人等同業グループ数社はいずれも請求人の代表者一族等が株式の大半を所有している同族会社であり、拠出金は請求人等グループ各社以外に流出するおそれは全くないことが認められる。これらの事実によれば、本件規約は新仕入先を開拓した請求人等グループ各社に対する金銭の贈与を目的とした契約というべきである。また、新仕入先を開拓しなかったことによりペナルティとして拠出金を支出することは通常あり得ないことであり、その支出の効果も間接的反射的なものでその支出の対価となるほどの財産上の利益も認められないこと等からすれば本件仕入拡張費は、事業遂行上通常必要な費用とは認められない。したがって、これを寄付金に当たるとした原処分は相当である。
昭和52年8月9日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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