役員報酬が国税徴収法第76条に規定する給料等に該当するとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2008/12/03 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 原処分庁は、役員報酬は、取締役と会社との委任関係に基づいて支払われるものであるから、国税徴収法第76条第1項に規定する給料等には該当しない旨主張する。
しかし、国税徴収法第76条第1項が規定する給料等の差押禁止規定は、給料等がその受給者とその家族が生計を維持するための唯一ないし最重要な収入であり、その全額が差し押さえられた場合には、直ちにその受給者とその家族の生計の維持が困難になることを考慮し、健康で文化的な最低限度の生活を保障するという社会政策的な観点から、一定の範囲で差押えを禁止したものであり、同項は、給料等について、歳費まで例示しているから、同項にいう給料等とは、雇用契約に基づいて支給されるものに限定されず、雇用契約又はこれに類する関係その他一定の勤務関係に基づき、使用者の指揮命令又は所属する組織の規律に服してその使用者又は組織に対して提供した労務又は職務遂行の対価としてその使用者又は組織から継続的に受ける又は受けることが予定されている給付をいうものと解するのが相当であるところ、取締役の役員報酬は、取締役の任期中、会社との任用契約による勤務関係に基づき、その会社の機関又は機関の構成員として会社の規律に服し、その職務を行った対価として、その会社から継続的に報酬を受けるものであるから、国税徴収法第76条第1項が規定する給料等に含まれると解するのが相当である。
平成20年12月3日裁決
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