第二次納税義務の納付告知処分の「受けた利益の限度」の額は、譲り受けた財産等の価額から無償譲渡等の処分と直接対価性のある支出又は負担を控除した残額であることを明らかにした事例(第二次納税義務の納付告知処分・棄却・平成26年9月9日裁決)
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2014/09/09 [租税特別措置法][登録免許税法の特例]《要旨》 請求人は、原処分庁が納税者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために、請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分の「受けた利益の限度」の額について、請求人は本件滞納者から売掛金債権(本件売掛金債権)を譲り受けたが、請求人が本件滞納者に支出した香典代等(本件香典代等)は、請求人が本件滞納者に利益を与える行為であるから、「受けた利益の限度」の額の算定上、本件香典代等を控除すべきである旨主張する。
しかしながら、第二次納税義務の制度の趣旨に鑑みれば、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「受けた利益の限度」の額については、譲り受けた財産の額、免れた債務の額、又は享受した利益の額から、これらと直接の対価関係にあると認められる支出又は負担を控除した残額をいうところ、本件香典代等の支出は、本件売掛金債権の譲渡と直接の対価関係にあるとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。
《参照条文等》 国税徴収法第39条
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 第二次納税義務の納付告知処分の「受けた利益の限度」の額は、譲り受けた財産等の価額から無償譲渡等の処分と直接対価性のある支出又は負担を控除した残額であることを明らかにした事例(第二次納税義務の納付告知処分・棄却・平成26年9月9日裁決)
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