滞納会社が売上除外金から取締役に支出した金員は、社員総会において承認の決議を受けた損益計算書には計上されていないことから、職務執行の対価としての役員報酬には当たらず、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡に当たるとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1995/11/17 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 請求人は、滞納会社が売上除外金から請求人に支出した金員(本件金員)の性格は職務執行の対価たる役員報酬であると主張するが、滞納会社では社員総会決議によって役員報酬の総額が定められており、社員総会で承認された損益計算書に計上されている金額が役員報酬となるところ、本件金員は、社員総会において承認の決議を受けた損益計算書には計上されていないことから、職務執行の対価としての役員報酬には当たらない。
そうすると、本件金員の授受は滞納会社から請求人への贈与であり、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡に該当する。
重加算税の賦課決定処分は課税面の処分であり、徴収面の第二次納税義務に係る告知処分とは全く別の処分であって、国税通則法第102条(裁決の拘束力)第1項の規定には抵触しないから、本件金員を賦課決定の審査請求では役員賞与と認定し、第二次納税義務に係る告知処分では贈与と認定しても違法ではない。
平成7年11月17日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 滞納会社が売上除外金から取締役に支出した金員は、社員総会において承認の決議を受けた損益計算書には計上されていないことから、職務執行の対価としての役員報酬には当たらず、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡に当たるとした事例
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