審査請求に係る審理の対象は客観的に存在していた本件事業年度の法人税の課税標準又は税額との比較における本件更正処分に係るそれらの多寡であるから、請求人が原処分の取消し(申告額を超えない部分を除く。)を求める理由として過大申告を主張することは許されるとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2006/04/05 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 原処分庁は、請求人が本件審査請求において原処分の取消しを求める理由は死因贈与による土地の取得に係る収益の額(受贈益)の申告が過大であったことであり、納税者が更正の請求によることなく申告に係る課税標準等または税額等の過誤の是正を求めることは、その方法以外にその是正を許さないならば、納税者の利益を著しく害すると認められるとの事情がある場合を除き、許されないと解されている(いわゆる「更正の請求の排他性」)から、当該過大計上を理由として所得金額の減額を求める請求人の主張自体が許されない旨主張する。
しかしながら、この更正の請求の排他性が申告に係る課税標準等又は税額等を自己に有利に変更することを求める場合についてのものであることは、国税通則法第23条第1項の規定から明らかであり、本件審査請求に係る審理の対象は客観的に存在していた本件事業年度の法人税の課税標準又は税額との比較における本件更正処分に係るそれらの多寡であるから、本件に上記「特段の事情」が存するか否かを判断するまでもなく、本件審査請求において、請求人が、原処分の取消し(申告額を超えない部分を除く。)を求める事由として、上記過大申告を主張すること自体は許される。
したがって、原処分庁の主張は採用できない。
平成18年4月5日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 審査請求に係る審理の対象は客観的に存在していた本件事業年度の法人税の課税標準又は税額との比較における本件更正処分に係るそれらの多寡であるから、請求人が原処分の取消し(申告額を超えない部分を除く。)を求める理由として過大申告を主張することは許されるとした事例
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