譲渡制限の存する信用組合の組合員の持分に対する差押えを適法とした事例
[国税徴収法][差押え][各種財産に対する差押え]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1976/04/26 [国税徴収法][差押え][各種財産に対する差押え]裁決事例集 No.12 - 51頁
請求人である信用組合は、中小企業等協同組合法に基づくものであって、その組合員の持分の譲渡出資口数の減少については、組合の承諾を要する旨、その定款に規定されている。しかし、その持分は金銭的価値を有する財産権であり、その投下資本の回収ができることが認められたものであり、持分の譲渡について組合の承諾が必要であるとした趣旨は、本来譲渡性を有する持分の性格と人的結合体としての組合の閉鎖性との調和を図ったにすぎないものであって、持分の譲渡性を完全に否定したものとは解されない。
したがって、滞納者が請求人に対して有する持分は国税徴収法第73条の「合名会社の社員の持分その他第三債務者等がある財産」に該当するので、本件持分に対する差押えは適法である。
昭和51年4月26日裁決
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