請求人の常務取締役として経営に参画し、担当部門に係る取引全般を総括的に委任されている者の行った仕入金額の架空計上は、たとえそれを請求人の代表者が知らなかったとしても、請求人の隠ぺい又は仮装行為と同視すべきであり、重加算税の賦課決定は適法であるとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1990/08/23 [租税特別措置法][登録免許税法の特例]裁決事例集 No.40 - 8頁
請求人は仕入金額の架空計上は、請求人の常務取締役であるA男に全面的に任せている部門に係るものであり、しかもそれはA男が私欲に基づき行ったもので、請求人の代表者はその不正経理を知らなかったから、その架空計上は請求人の行為には当たらず、これに重加算税を賦課するのは違法であると主張するが、重加算税の賦課の目的は、隠ぺい又は仮装に基づく過少申告による納税義務違反の発生を防止し、申告納税制度の信用を維持するところにあることから、隠ぺい又は仮装の行為者が法人の代表者に限定されるものではなく、その役員及び家族等で経営に参画していると認められる者の行為は、法人の代表者がそれを知らなかった場合であっても当該法人の行為と同視されるべきものであり、A男は請求人の常務取締役として経営に参画し、担当部門に係る取引全般を総括的に委任されている者であることから、A男の行った仕入金額の架空計上は請求人の行為と同視すべきものであると認められ、これに重加算税を賦課したのは適法である。
平成2年8月23日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 請求人の常務取締役として経営に参画し、担当部門に係る取引全般を総括的に委任されている者の行った仕入金額の架空計上は、たとえそれを請求人の代表者が知らなかったとしても、請求人の隠ぺい又は仮装行為と同視すべきであり、重加算税の賦課決定は適法であるとした事例
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