原処分庁が事実の隠ぺい又は仮装の行為によって過大に計上したとする貸倒損失額は、更正処分をした事業年度において所得金額に加算することはできないから、当該事業年度には当該貸倒損失額に係る重加算税の計算の基礎となる税額が生じないとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2012/03/28 [租税特別措置法][登録免許税法の特例]《要旨》 原処分庁は、M社に対する貸付金が架空であることを認識していながら当該貸付金の全額を貸倒損失とした請求人の行為は、事実の隠ぺい又は仮装に当たる旨主張する。
しかしながら、請求人のM社に対する債権債務の推移からすれば、原処分庁が更正処分をした事業年度の前事業年度では、損金の額に算入されない貸倒損失の計上が認められるものの、当該更正処分をした事業年度においては、原処分庁が過大に計上したとする貸倒損失額について所得金額に加算できないのであるから、当該貸倒損失額に係る重加算税については、その計算の基礎となる納付すべき法人税額は生じない。
《参照条文等》 国税通則法第68条第1項
《参考判決・裁決》 最高裁昭和58年10月27日第一小法廷判決(民集37巻8号1196頁)
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 原処分庁が事実の隠ぺい又は仮装の行為によって過大に計上したとする貸倒損失額は、更正処分をした事業年度において所得金額に加算することはできないから、当該事業年度には当該貸倒損失額に係る重加算税の計算の基礎となる税額が生じないとした事例
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