存在しない借入金を相続税の課税価格の計算上債務控除して申告したことは、事実の隠ぺい又は仮装に当たるとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1990/02/20 [租税特別措置法][登録免許税法の特例]裁決事例集 No.39 - 8頁
請求人が債務控除の対象となる債務に該当するとして申告した借入金は、[1]被相続人が借り入れたとする金員についての異動の形跡が認められないこと、[2]被相続人は、生前無職で、高齢かつ病弱であったものであり、一方、請求人は、貸金を業とする者であること、[3]請求人が主張する貸金返還請求訴訟は、相続税対策上提起されたことは疑いを入れる余地がないこと等の事実から、被相続人の借入金として存在したとは認められず、あたかもその借入金が存在するがごとく仮装して、相続税の課税価格の計算をして相続税の申告を行ったのであるから、重加算税の賦課決定をしたことは適法である。
平成2年2月20日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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