修正申告のしょうように至るまでの過程において、原処分庁が当初保有していた情報とは異なる申告漏れが判明した事情がある場合において、修正申告は更正があるべきことを予知してなされたものであると認めた事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2007/11/12 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 課税庁が申告内容について調査を行い、その結果に基づき修正申告のしょうようをした後に、修正申告書の提出があった場合には、自発的な修正申告があったとはいえないから、かかる修正申告書の提出は国税通則法第65条第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たらない。
本件では、原処分庁は請求人の所得税に関する調査を行うために呼び出したこと、その日に請求人に対する調査が行われたこと、その結果、その場で配当所得の申告漏れになっていた正しい事実が明らかになったこと、調査担当職員が調査の経過に照らし、上記配当所得以外の申告漏れは見込まれないと判断したことが認められ、修正申告のしょうようがあったものといえる。
そして、原処分庁は、本件調査日以前に何度か請求人に対してC社との取引内容を明らかにする文書を提出するように求め、当初入手情報の存否の当否を確認するよう努めており、また、調査担当者は、本件調査日において、D社の株式に係る配当金が本件取引口座に入金されているにもかかわらず、当該収入が申告されていなかったという正確な情報を把握した上で修正申告をしょうようしたのであるから、請求人の主張は前提を欠いており理由がない。
平成19年11月12日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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