延滞税は適法に確定し、かつ、完納されていないから、督促処分は適法であるとした事例
裁決事例(国税不服審判所)
2003/12/19 [租税特別措置法][登録免許税法の特例] 請求人は、原処分庁が確定申告の早期審査の責任を果たさず、請求人の確定申告の審査及び修正申告のしょうようを遅延したもので、これは国税通則法施行令第26条の2に規定するいわゆる「人為による災害又は事故」に該当するから、修正申告をするまでの期間に対応する延滞税を免除すべきである旨主張し、延滞税に係る督促処分の取消しを求めている。
しかしながら、本件延滞税は、適法に確定し、かつ、完納されていないから、本件督促処分は適法であって、違法、不当な点はない。
仮に、請求人の主張どおり、延滞税を免除することができる場合に該当し、免除しないことが違法であるとしても、当然に免除の効果が発生するわけではないから、現実に免除がされておらず本件各延滞税が存在する以上、原処分の適法性に何ら影響はない。
なお、確定申告の審査事務の処理の時期及び方法は税務署長の裁量にゆだねられており、少なくとも法定の更正の期間制限内の是正処理は法が当然予定しているところと解され、審査等を遅延したという請求人の主張には理由がない。また、国税通則法施行令第26条の2の「人為による異常な災害又は事故」は、当該災害又は事故が納税者の責に帰すべき事由により生じたものである場合は除かれるところ、本件では、請求人自身が誤った確定申告書を作成して提出したことから、原処分庁による指摘が必要となったものであり、そもそも請求人の責に帰すべき事由により生じた事態であるから、請求人の主張することは「人為による災害又は事故」に該当しない。
平成15年12月19日裁決
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