株式の売買代金が時価相当額より低額であるとして類似業種比準価額方式により評価し、売主に対して所得税更正処分等、買主に対して法人税更正処分等がそれぞれなされた場合において、売主側が提起した所得税更正処分等取消訴訟において当該処分等の取消判決が確定しても、買主側は国税通則法第23条第2項第1号に基づく更正の請求をすることはできないとした事例
[国税通則法][納付義務の確定][更正の請求]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2003/09/05 [国税通則法][納付義務の確定][更正の請求]請求人は、株式の売主側が提起した所得税更正処分等取消訴訟において株式の評価方法が否定されて取消判決(以下「本件判決」という。)が確定したことから、本件判決が国税通則法第23条第2項第1号に規定する判決に該当するとして本件更正の請求をしたものであるが、同項に規定する判決とは、申告等に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実の得喪変更に関する訴訟に係る判決を意味するところ、本件判決は、株式の売主側が提起した所得税更正処分等取消訴訟についてなされた判決であり、本件判決によって、株式の買主である請求人に対する法人税更正処分等に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実そのものを左右するものではないから、同項の規定による更正の請求をすることはできない。
平成15年9月5日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 株式の売買代金が時価相当額より低額であるとして類似業種比準価額方式により評価し、売主に対して所得税更正処分等、買主に対して法人税更正処分等がそれぞれなされた場合において、売主側が提起した所得税更正処分等取消訴訟において当該処分等の取消判決が確定しても、買主側は国税通則法第23条第2項第1号に基づく更正の請求をすることはできないとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(国税通則法>納付義務の確定>更正の請求)
- ゴルフ会員権を購入した者からの届出債権が破産債権として債権表に記載されたことは国税通則法第23条第2項第1号に該当するとしてなされた更正の請求につき、当該届出債権は不法行為に基づくものであるから、同号に規定する「課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決」には該当しないとした事例
- 本件和解は、本件不動産の持分2分の1が被相続人の相続開始日にさかのぼって利害関係人に帰属することを認めたものと解する余地はなく、将来に向かって新たな権利関係等を創設する趣旨のものであることから、国税通則法第23条第2項第1号にいう「和解」に当たらないとした事例
- 国税通則法第23条第2項第1号の「判決」に基づいた更正の請求であると認容した事例
- 本件の訴訟上の和解は、国税通則法第23条第2項第1号の更正の請求の事由には該当しないとした事例
- 相続税法第32条第3号に規定する更正の請求をすることができる期間の起算日は、遺留分減殺請求訴訟の和解が成立した日であり、適法な期間内に提出された更正の請求を前提とした同法第35条第3項第1号の規定に基づく原処分も適法であるとした事例
- 当該和解は、当事者間に権利関係の争いがあったことを起因としてなされたものではないから、国税通則法第23条第2項第1号に規定する「判決と同一の効力を有する和解」には当たらないとした事例
- 国税通則法第23条第2項ないし同法施行令第6条に規定のない納税者の主観的な事由は、同項の後発的事由に該当しないとした事例
- 贈与契約が解除権の行使によって解除されたことを理由としてなされた贈与税の更正の請求にやむを得ない理由があるとした事例
- 平成8年分の所得税の確定申告において、措置法第36条の6第1項の特例の適用を受けた結果、8年分と10年分の所得税の合計額が、適用を受けなかった場合の合計額よりも過大になったとしても、更正の請求はできないとされた事例
- 個別対応方式における用途区分の方法に誤りがあったとしてされた更正の請求について、確定申告において採用した用途区分の方法に合理性がある場合には、国税通則法第23条第1項第1号の適用はないとした事例
- 納税義務に係る課税標準等又は税額等の基礎となる事実について判断されていない確定判決を理由とする更正の請求は認められないとした事例
- 還付申告書に係る更正の請求ができる期間は、法定申告期限から1年以内であるとした事例
- 消費税の仕入税額控除の計算を一括比例配分方式で申告したものについて、更正の請求において、個別対応方式に変更することはできないとした事例
- 相続により取得した財産に係る相続開始前における賃借権の取得時効の完成、賃借権の取得という事実が判決により後発的に確定した場合、当該判決は、取得時効の完成の確定という意味において、国税通則法第23条第2項1号にいう「判決」に当たり、当該事情は当該財産の評価上、しんしゃくすべきであるとした事例
- 社会福祉法人の理事が県等から不正受給した補助金の一部を当該法人からの賞与とした所得税の申告について、当該不正受給に係る刑事事件の判決の確定を理由として更正の請求をすることはできないとした事例
- 土地の譲渡につき、当該土地の前所有者の買戻しの予約完結権を侵害したとして、損害賠償の訴えがあり、これを認める判決があっても、当該判決は、国税通則法第23条第2項に規定する「課税標準等又は税額等の基礎となった事実に関する訴えについての判決」には該当しないとした事例
- 遺贈の効力は認められるものの、請求人がその効力の有無について疑問を抱いたとしてもやむを得ない客観的な事情が認められるとして、遺贈に関する調停の成立により国税通則法第23条第2項第1号の規定による更正の請求を認めた事例
- 申告後に改正された通達を根拠として法定の期限経過後になされた更正の請求は、不適法であるとした事例
- 国税通則法第23条第2項第1号及び相続税法第32条第1号に定める更正の請求は、請求人にいずれか有利な規定を適用することはできないとした事例
- 後日確定した代金の返還を事由とする更正の請求は認められないとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。