所得税更正処分取消請控訴,同附帯控訴事件|平成2(行コ)24
[所得税法][事業所得][納税義務者]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
平成4年10月21日 [所得税法][事業所得][納税義務者]判示事項
1 所得税の更正処分の取消訴訟において,個々の取引の内容及び結果についてされた自白の撤回を認めなかった事例 2 所得税法51条2項にいう「債権の貸倒れ」の意義 3 金融業者の事業所得につき必要経費の全部と利息収入の一部を実額で把握し,その余の利息収入金額を必要経費の実額とは無関係に推計してした更正処分の取消訴訟において,課税庁が把握した以外にも納税義務者が実額による必要経費を支出した旨主張立証するためには,経費の支出の事実を主張立証すれば足り,その経費と収入金額との具体的個別的な対応を主張立証する必要はないとした事例 4 金融業を個人で営む白色申告者の事業所得につき,実額調査ができなかった部分に限り本人比率によって推計する方法によってした所得税の更正処分が,適法であるとされた事例裁判要旨
1 所得税の更正処分の取消訴訟において,主要事実は所得金額の算定に必要な個々の所得発生原因事実をいうと解するのが相当であるとした上,個々の取引の内容及び結果についてされた自白が真実に反すると認めることはできない以上,自白の撤回は認められないとした事例 2 所得税法51条2項により貸倒損失として必要経費に計上できるのは,原則として,債権が法律上消滅した場合又は法律上債権は存在するがその回収が事実上不可能である場合のいずれかであることが必要であり,後者の場合に当たるというためには,当該年中に弁済期が到来している債権につき,債務者の倒産,失踪等の事情により,貸付金の回収の見込みがないことが客観的に確実になったことを要する。 3 金融業者の事業所得につき,必要経費の全部と利息収入の一部を実額で把握し,その余の利息収入金額につき,必要経費の実額とは無関係に,その営業用の銀行預金口座への入金額を基に推計してした更正処分取消訴訟において,所得計算の根拠となる収入金額と経費のいずれについても課税庁に主張立証責任があるから,課税庁が収入金額の捕捉漏れの可能性を指摘するにとどまるのであれば,納税義務者が課税庁が把握した以外にも必要経費を支出した旨主張立証するためには,経費の支出の事実を主張立証すれば足り,その経費と収入金額との具体的個別的な対応を主張立証する必要はないとした事例 4 金融業を個人で営む白色申告者の事業所得等に係る所得税の更正処分が,利息収入の推計の基礎となる本人比率を過大に認定しているものの,申告者が実額による必要経費として算入すべき旨主張した借入利息の支払の事実が認められないなどとして,適法であるとされた事例- 裁判所名
- 名古屋高等裁判所
- 事件番号
- 平成2(行コ)24
- 事件名
- 所得税更正処分取消請控訴,同附帯控訴事件
- 裁判年月日
- 平成4年10月21日
- 分野
- 行政
- 全文
- 全文(PDF)
- 裁判所:行政事件裁判例
- 所得税更正処分取消請控訴,同附帯控訴事件|平成2(行コ)24
関連するカテゴリー
関連する裁決事例(所得税法>事業所得>納税義務者)
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。