代償金を支払って取得した相続土地を譲渡した場合の取得費の額に加算する相続税額の計算に当たり、当該代償金の額を圧縮した原処分は相当であるとした事例
[租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][特定の事業用資産の買換えの場合等の課税の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1997/01/21 [租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][特定の事業用資産の買換えの場合等の課税の特例] 請求人は、租税特別措置法通達39−14(代償金を支払って取得した相続財産を譲渡した場合の取得費加算額の計算)は、納税者に不利になる取扱いをするものであり、租税法規の解釈に反するものであるから、更正処分は取り消されるべきである旨主張する。
しかしながら、租税特別措置法第39条(相続財産に係る譲渡所得の課税の特例)は、相続により財産を取得した個人で納付すべき相続税額が算出された者が、相続税の課税対象となった財産を一定期間内に譲渡した場合には、相続税と所得税が課税され租税負担が重くなることから、譲渡所得の計算上、譲渡資産に対応する相続税相当額を取得費に準じて扱うことを目的として創設された制度の趣旨からすると、代償金を支払って取得した相続財産を譲渡した場合において、譲渡土地に対応する相続税相当額を上回る部分についてまで同条が認めたものではないと解するのが相当であるから、原処分庁の計算方法は、同条の規定の趣旨に即した合理的なものと認められる。
したがって、原処分庁が譲渡土地の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、取得費の額に加算される相続税額の算定において、これに相当する代償金を控除した更正処分は適法である。
平成9年1月21日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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