他人名義となっている定期貯金の真実の所有者は被相続人であると認定した事例
[消費税法][申告、更正の請求の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1991/01/18 [消費税法][申告、更正の請求の特例]裁決事例集 No.41 - 271頁
請求人は、本件定期貯金は被相続人の孫のものであり、その資金源は孫の母が毎月1〜2万円の積立貯金をしてその満期時の昭和58年4月11日に本件定期貯金を設定したものである旨主張するが、本件定期貯金は同日以前からあった定期貯金が継続されているもので、また、主張する積立金額では孫の年齢からして、到底本件定期貯金の基となった定期貯金の額に達しないので、その主張は失当といわざるを得ない。
[1]被相続人名義の他の定期貯金と本件定期貯金の届出住所、届出印鑑及び申込書の筆跡が同一であること、[2]本件定期貯金の利息と被相続人名義の定期貯金の利息とを合わせて別段預金とした上で現金にしているが、これに使用された印鑑がすべて同一であること、[3]被相続人には、本件定期貯金の基となった定期貯金と被相続人名義の定期貯金を設定した頃、土地譲渡代金が入金していたこと等からすると、本件定期貯金の資金源は譲渡代金と認められ、被相続人が非課税貯蓄に着目して孫の名義を使用して、本件定期貯金を設定したものと推認することができ、原処分は相当である。
平成3年1月18日裁決
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