公正証書による財産の贈与時期は、公正証書が作成された日ではなく、本件不動産に係る所有権の移転登記がされた日であるとした事例
[消費税法][申告、更正の請求の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1997/01/29 [消費税法][申告、更正の請求の特例] 請求人は、公正証書による財産の贈与時期は、本件不動産に係る所有権の移転登記がされた日ではなく、公正証書が作成された日である旨主張する。
しかしながら、[1]贈与税課税の除斥期間が経過するまで所有権の移転登記がされていないこと、[2]公正証書の作成目的が租税回避以外の必要性がないこと及び[3]公正証書の記載内容と異なる行為が行われていることから、当該公正証書は実態を伴わない形式的な文書と認めるのが相当であり、これにより贈与が成立したとは認められない。
したがって、本件不動産の贈与の成立した日は、第三者に対抗するための法律要件が成就した日(所有権移転登記が行われた日)と認めるのが相当であるから、本件決定処分は適法である。
平成9年1月29日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 公正証書による財産の贈与時期は、公正証書が作成された日ではなく、本件不動産に係る所有権の移転登記がされた日であるとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(消費税法>申告、更正の請求の特例)
- 更正の請求の直前における請求人の相続税の課税価格は相続税法第55条の規定に基づき民法の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従って計算されていたものではないから、当該更正の請求は相続税法第32条第1号の要件を欠くものであるとした事例
- 請求人が父から売買契約により譲り受けた土地の対価は、当該土地の時価に比して著しく低い価額であると認められ、相続税法第7条の規定により贈与があったものとした事例
- 相続税の延納許可取消処分は、相続税法第40条第2項に定められた弁明を聞く手続を経ずになされたもので違法であるとした事例
- 有価証券及び貸付金債権が請求人らの相続財産であるとした事例
- 評価基本通達に定める路線価等を適用しないで土地の時価を算定するときは路線価の評価水準等を考慮する必要はなく、また、相続税法第17条に定めるあん分割合につき請求人らが申告に使用した端数処理の方法には合理性が認められないとした事例
- 請求人が取得した土地について、兄からの贈与によるものではなく、相続により取得したものであると認定した事例
- 貸金債権は生前において回収不能を理由に既に放棄されていたとの請求人の主張を退けた事例
- 居住用と居住用以外の建物の敷地となっている土地の持分である本件受贈財産のそのすべてが居住用家屋の敷地であるとはいえないとした事例
- 第三者に貸し付けられている被相続人と他の共同相続人との共有建物の敷地の評価に当たり、当該敷地には当該他の共同相続人の当該建物に係る地上権は存在しないとした事例
- 相続税法34条4項の連帯納付義務は、受贈者の贈与税の納税義務の確定という事実に基づいて法律上当然に生じるもので、特別の確定手続を要するものではなく、その範囲は、受贈者が負っている本税及び延滞税のすべてについて、贈与した財産の価額を限度として負担すべきであるとした事例
- 死後認知裁判により相続人となった者であっても相続により財産を取得した時及びその財産の評価の時点は相続の開始の時であるとした事例
- 弁明の機会が付与されていないから弁明手続は違法である旨の請求人の主張を排斥した事例
- 存続期間が100年を超える地上権の設定であっても、建物の所有を目的とする場合には借地法の法的保護の下にあるから、相続税法第23条“地上権及び永小作権の評価”の適用はないとした事例
- 遺産分割審判に係る高裁決定を不服として許可抗告の申立て及び特別抗告が行われている場合における相続税法第32条の更正の請求をすることができる「事由が生じたことを知った日」は、当該高裁決定に係る文書が送達された日であるとした事例
- 相続税法第55条にいう「相続分の割合」とは、共同相続人が他の共同相続人に対して、その権利を主張することができる持分的な権利の割合をいうものとした事例
- 遺贈に対して遺留分による減殺請求がなされている場合であっても、各共同相続人の取得財産の範囲が具体的に確定するまでは、受遺者の課税価格はそれがないものとして計算した金額によるとされた事例
- 公正証書による贈与契約は相続税回避のための仮装行為であるとした事例
- 医療法人の定款を変更し、退社時の出資の払戻額及び解散時の出資の払戻額を払込出資額に限る旨定めたとしても、出資持分の価額は、払込出資額により評価するのではなく、財産評価基本通達194−2の定めに基づき評価するのが相当であるとした事例
- 消費税に相当する金額の1円未満の端数処理の計算方法については、個々の商品ごとの代金と、当該個々の商品に課されるべき消費税に相当する額とのそれぞれの合計額と解すべきである旨の請求人の主張は認められないとした事例
- 評価対象地は、道路を開設するなどした開発を行うことが最も合理的であり、「広大地」として評価するのが相当であるとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。