助産施設として利用されていた建物の譲渡は、消費税法上、課税資産の譲渡等に当たるとした事例
[消費税法][課税範囲][非課税取引]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2012/01/31 [消費税法][課税範囲][非課税取引]《ポイント》 この事例は、産科、婦人科等の診療の用に供されていた建物及び敷地を請求人が医療法人に譲渡したことにつき、当該建物の譲渡が消費税法第6条第1項及び同法別表第一第8号に規定する非課税取引に当たるか否かが争われたものである。
《要旨》 請求人は、消費税法別表第一第8号の規定上、助産に係る資産の譲渡等は分娩と直接関連するものに限られるとはいえず、助産に関連する全ての資産の譲渡等をいうのであり、請求人が所有し、産科、婦人科等の診療の用に供されていた本件建物は助産施設であるから、その譲渡は、同号に規定する助産に係る資産の譲渡等に該当する旨主張する。
しかしながら、消費税法別表第一第8号に規定する「助産に係る資産の譲渡等」とは、医師等の資格を有する者の医学的判断及び技術をもって行われる分娩の介助等ないしそれに付随する妊産婦等に対する必要な処置及び世話等をいうものと解されるのであり、助産の用に供されている施設建物の譲渡が「助産に係る資産の譲渡等」に該当すると解することはできない。
《参照条文等》 消費税法第6条第1項、別表第一第8号
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