法人の代表者が当該法人所有の資産を無償で専属的に利用したことは、経済的利益を享受していることに当たるから、源泉所得税の課税対象となるとした事例
[所得税法][源泉徴収]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2009/10/28 [所得税法][源泉徴収] 請求人は、本件家具等は、請求人が宗教活動の用に供するために取得し、装飾や請求人の来客用等として本件マンション内に設置され、直接的あるいは間接的に宗教活動の用に供されるものであって、代表者に貸与したものではない旨主張する。
しかしながら、本件マンションの間取りは居住用であり、代表者が一人で居住していることや宗教活動の用に供された事実がないことなどからすると、本件マンションは、その全体が専ら代表者の居住の用に供されていたと認められ、そうすると、本件マンション内に設置されている本件家具等は、請求人が、代表者が使用する目的で購入して代表者に貸与し、これを代表者が専属的に使用していたものと認めるのが相当である。
そして、代表者は、請求人に対し、本件家具等の使用料名目での金員の支払をしておらず、また、本件マンションの賃貸料にも、本件家具等の使用料は含まれていないというべきであるから、本件家具等は、請求人から代表者に対して無償で貸与されていると認められ、代表者はこれにより通常支払うべき対価に相当する利益、すなわち本件家具等の使用に係る経済的利益を享受しているというべきである。
平成21年10月28日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 法人の代表者が当該法人所有の資産を無償で専属的に利用したことは、経済的利益を享受していることに当たるから、源泉所得税の課税対象となるとした事例
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