事業に至らない規模の不動産貸付において未収家賃が回収不能となった場合|所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
事業に至らない規模で不動産を貸し付けていましたが、収入金額に計上していた未収家賃(50万円)が回収不能となりました。その回収不能となった未収家賃の申告年分の不動産所得の金額は赤字ですが、この場合に、回収不能となった未収家賃の額はなかったものとして更正の請求をすることができますか。
○ 所得の内訳(当初申告)
【回答要旨】
事業に至らない規模の不動産貸付において、未収家賃が回収不能となった場合、回収不能額のうち、次の金額のいずれか低い金額に達するまでの金額は、その不動産所得の金額の計算上、なかったものとみなされます(所得税法第64条第1項、所得税法施行令第180条第2項)。
総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額
不動産所得の金額から、回収不能額に相当する総収入金額がなかったものとした場合に計算される不動産所得の金額を控除した残額
上記の金額は「控除した残額」と規定されていますので、「不動産所得の金額」及び「回収不能額に相当する総収入金額がなかったものとした場合に計算される不動産所得の金額」はそれぞれ黒字の場合を前提としており、これらの金額が赤字の場合にはそれぞれ0円として計算します。
したがって、「不動産所得の金額」が赤字の場合には、なかったものとみなされる金額は生じないことから、照会の場合には更正の請求をすることはできません。
【関係法令通達】
所得税法第64条第1項、第152条、所得税法施行令第180条第2項
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/02/27.htm
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