所有権移転外ファイナンス・リース取引における残価保証等の場合の取扱い|消費税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
所有権移転外ファイナンス・リース取引における賃借人が保証する残存価額に対して、消費税の取扱いはどのようになるのでしょうか。
【回答要旨】
リース期間終了の時にリース資産(法法64条の2第1項《売買とされるリース取引》等に規定するリース資産をいいます。)の処分価額がリース取引に係る契約において定められている保証額に満たない場合に、その満たない部分の金額をそのリース取引に係る賃借人がその賃貸人に支払うこととされている場合における保証額(以下「残価保証額」といいます。)は、リース取引開始時において消費税の課税対象とはなりません。
リース契約上の残価保証額の定めに基づき賃貸人が賃借人に請求する精算金は、その収受すべき金額が確定した日の属する課税期間における資産の譲渡等の対価の額に加算することとなります。
(理由等)
(1) リース資産の引渡時の取扱い
リース資産の譲渡等の対価の額とは、リース契約書等において「リース料総額」又は「月額リース料及びリース期間における月数」を記載してリース資産の譲渡に係る当事者間で授受することとした対価の額をいいますから、リース資産に係るリース契約の残価保証額の定めが付されたリース取引であっても、リース資産の引渡し時には、当該リース契約書等で収受することとしたリース料総額を対価としてリース譲渡が行われたこととなります。
このため、残価保証額は、資産の譲渡等の対価の額には含まれません。
(2) 残価保証額の精算金の取扱い
リース契約において残価保証額を定めていた場合には、リース資産が賃貸人に返還され、賃貸人が当該リース資産を第三者に売却した後に精算金額が確定し、賃貸人から賃借人に対して請求されます。したがって、リース契約における残価保証額の定めに基づき賃貸人が賃借人から収受する精算金は、その収受すべき金額が確定した日の属する課税期間における資産の譲渡等の対価の額に加算することとなります(消費税法基本通達9-3-6の4)。
【関係法令通達】
消費税法第28条、消費税法基本通達9-3-6の4
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/02/38.htm
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