広大地の評価における公共公益的施設用地の負担の要否|財産の評価
[広大地の評価における公共公益的施設用地の負担の要否]に関する質疑応答事例。
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
広大地の評価において、「開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」とは、どのようなものをいうのでしょうか。
【回答要旨】
広大地の評価は、戸建住宅分譲用地として開発した場合に相当規模の公共公益的施設用地の負担が生じる宅地を前提としていることから、「公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」とは、経済的に最も合理的に戸建住宅の分譲を行った場合にその開発区域内に道路の開設が必要なものをいいます。
したがって、例えば、次のような場合は、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担がほとんど生じないと認められるため、広大地には該当しないことになります。
- (1) 公共公益的施設用地の負担が、ごみ集積所などの小規模な施設の開設のみの場合
- (2) セットバック部分のみを必要とする場合
- (3) 間口が広く、奥行が標準的な場合
- (4) 道路が二方、三方又は四方にあり、道路の開設が必要ない場合
- (5) 開発指導等により道路敷きとして一部宅地を提供しなければならないが、道路の開設は必要ない場合
セットバックを必要とする土地ではありませんが、開発行為を行う場合に道路敷きを提供しなければならない土地部分については、開発区域内の道路開設に当たらないことから、広大地に該当しません。 - (6) 路地状開発を行うことが合理的と認められる場合
(路地状開発とは、路地状部分を有する宅地を組み合わせ、戸建住宅分譲用地として開発することをいいます。)
なお、「路地状開発を行うことが合理的と認められる」かどうかは次の事項などを総合的に勘案して判断します。- 路地状部分を有する画地を設けることによって、評価対象地の存する地域における「標準的な宅地の地積」に分割できること
- その開発が都市計画法、建築基準法、都道府県等の条例等の法令に反しないこと
- 容積率及び建ぺい率の計算上有利であること
- 評価対象地の存する地域において路地状開発による戸建住宅の分譲が一般的に行われていること
(注) 上記の(3)〜(6)の区画割をする際の1区画当たりの地積は、評価対象地の存する地域の標準的使用に基づく「標準的な宅地の地積」になります。
【関係法令通達】
財産評価基本通達 24-4
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hyoka/18/03.htm
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