養老保険契約に加入し支払った保険料について、請求人は、所得税基本通達36−31の(3)に該当すると主張するが、当該保険契約は、被保険者が主任以上という基準であり、全従業員がその恩恵に浴する機会が与えられているとは認められず、給与に該当するとした事例
[所得税法][源泉徴収]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1993/08/24 [所得税法][源泉徴収] 請求人は、本件養老保険契約に係る被保険者について、[1]勤続年数15年以上、[2]年齢40歳以上、[3]定年までの定着度の各要件を総合勘案して、各職種より選定した旨主張するが、1名のやむを得ない例外を除いては主任以上の全従事員が被保険者となっており、保険加入の対象者として主任以上の基準を設けていたことが推認される。
ところで、請求人においては、主任とは役職名の一つであって、役職の任免は請求人の業務運営上の必要に応じて行われるものとされており、必ずしもすべての従事員が主任以上の役付者になれるとは限らず、また、課長又は主任に任命されていない者で勤続年数15年以上かつ年齢40歳以上の者が3人認められることからみると、全従事員がその恩恵に浴する機会を与えられているとは認められない。
したがって、本件保険契約については、全従業員がその恩恵に浴する機会が与えられているとは認められず、支払った保険料は、被保険者に対する給与とすることが相当である。
平成5年8月24日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 養老保険契約に加入し支払った保険料について、請求人は、所得税基本通達36−31の(3)に該当すると主張するが、当該保険契約は、被保険者が主任以上という基準であり、全従業員がその恩恵に浴する機会が与えられているとは認められず、給与に該当するとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(所得税法>源泉徴収)
- 外国人芸能タレントの招へい業者へ支払った金員及びその芸能タレントへ支払った、いわゆるドリンク・バックについて源泉徴収を要するとされた事例
- 理事長に対する債務免除は、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合に受けたものに該当せず給与として源泉徴収を要するとした事例
- ストリップショウの出演者に対する出演料は所得税法204条第1項に規定する報酬又は料金に該当するとした事例
- 使用人等に対する食事の支給による経済的利益の供与について、「使用人が購入して支給する食事」として評価するのが相当であるとした事例(平成20年1月〜平成22年10月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分及び不納付加算税の各賦課決定処分・一部取消し・平成26年5月13日裁決)
- 単身赴任者に支給した帰郷交通費は、職務を遂行するための旅行でなく、帰郷に要する交通費の負担を軽減するために支給されたものであるとして、当該単身赴任者に対する給与所得に該当するとした事例
- 懲戒解雇した従業員に対し地位保全仮処分申請に係る裁判所の決定に基づき支払った金員は給与所得に該当するとした事例
- わが国において韓国芸能人に支払った人的役務の提供に対する報酬は、日韓租税条約上免税にならないとした事例
- すべての使用人に対して、雇用されている限り毎年誕生月に支給している誕生日祝金について、その支給形態等が、広く一般に社会的な慣習として行われているとは認められないとして所得税法第28条第1項に規定する給与等に当たるとした事例
- 簿外普通預金からの払戻金の使途は、代表者からの借入金の返済ではなく代表者に対する給与等の支給であるとした事例
- 関係会社の名義による源泉所得税の納付は、請求人による納付としての法的効果を生じないとした事例
- 請求人が負担した本件慰安旅行の参加従事員1人当たりの費用の額は、平成5年分192,003円、平成6年分449,918円及び平成7年分260,332円と、社会通念上一般的に行われている福利厚生行事としてはあまりにも多額であるから、当該従事員が受ける経済的利益は、給与所得として課税するのが相当とした事例
- 救急病院等に勤務する医師等に対する宿直料は、本来の職務に従事したことに対する対価であるから、所得税基本通達28−1ただし書は適用できないとした事例
- 外国人研修生等が在留資格の基準に適合する活動を行っていないことを理由に日中租税条約第21条の免税規定の適用がないとした事例
- 請求人の元理事長らが不正行為により流用等した金員等は、当該元理事長らに対する給与所得又は退職所得として、請求人は源泉徴収義務を負うと認定した事例
- 請求人が支出した金員は、契約金の支払ではなく、請求人自身の債務を弁済しているにすぎないので、源泉徴収義務はないとして納税告知を取り消した事例
- 不動産売買業を営む法人が、土地売買により生じた簿外収益の一部を同法人の実質的代表者に賞与として支給したものと認定し、源泉徴収に係る所得税の納税告知処分をしたことは適法であるとした事例
- 請求人が代表者に代わって送金した金員につき代表者に対してその返済を免除した事実は認められないとした事例
- 受給者が確定申告をしたことにより支払者の源泉徴収義務が消滅することはないとした事例
- 法人の代表者が当該法人所有の資産を無償で専属的に利用したことは、経済的利益を享受していることに当たるから、源泉所得税の課税対象となるとした事例
- 貸付金に係る利息相当額の経済的利益の供与に基づく源泉所得税の納税告知を取り消した事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。