請求人が時効取得した旧国有地の時価(一時所得の収入金額)は、国有財産評価基準に基づき評価した価額とするのが相当であるとした事例
[所得税法][収入金額][収入金額の計算]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2013/07/24 [所得税法][収入金額][収入金額の計算]《要旨》 原処分庁は、請求人が時効取得した各土地(本件各旧国有地)が譲渡されていることからすれば、本件各旧国有地を含む売買物件の各売買代金を基に面積按分により算出した金額が一時所得の収入金額(本件各旧国有地の時価)である旨主張する。
しかしながら、本件各旧国有地は公共用財産たる里道・水路等のうち、その機能を喪失したもの(旧法定外公共物)で、単独利用が困難な土地であるから、当該土地をその隣接所有者が時効取得した場合の時価については、当該土地を含む一団の土地としての価額を基礎として面積按分するだけでは十分な評価をしているとはいえず、また、単独利用が困難な旧法定外公共物については、原則として、隣接土地所有者に対してのみ随意契約により売却され、その売却価額が適正な対価(時価)を求めるための基準である国有財産評価基準に従って評価されることからすれば、私人間での取引事例が一般にほとんど見受けられないことに照らしても、本件各旧国有地の価額も同基準に準じて評価するのが相当であり、同基準に基づき評価した本件各旧国有地の価額が一時所得の収入金額と認められる。
《参照条文等》 所得税法第36条第1項、第2項
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 請求人が時効取得した旧国有地の時価(一時所得の収入金額)は、国有財産評価基準に基づき評価した価額とするのが相当であるとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(所得税法>収入金額>収入金額の計算)
- 山林を造成して譲渡した場合の譲渡所得の収入金額とすべき金額の算定に当たり、共同造成地内の山林の売買価額を基礎とすべきであるとした事例
- 外国市場で売却した株式代金の売却約定時の邦貨換算は同日の対顧客電信買相場(TTBレート)により、代金決済時の邦貨換算は先物為替予約レートによるのが相当であるとした事例
- 本件譲渡は、中間譲受人が介在した事実はなく、被相続人から最終譲受人に対し、直接なされたものであるとした事例
- みなし配当所得の収入金額の算定に当たり、減資により交付を受けた資産の時価から抵当権による被担保債権額を控除することはできないとした事例
- 借地権の無償返還と当該借地権に係る土地の低廉取得とはそれぞれの時価相当額による有償取引であるとした事例
- 不動産の譲渡による収入金額を認定した事例
- 喫茶店を経営していた土地建物の譲渡時に喫茶店の営業権等の売買も行われたとの請求人の主張に対し、営業権等は売買されていなかったと認定し、譲渡価額全額が土地建物の対価であるとした事例
- 建物の建築代金の支払に代えて引き渡した土地の譲渡価額について、請負契約書の金額によらず鑑定評価額によるのが相当であるとした事例
- 仮換地指定変更を目的とする交換契約に基づき収受した金銭に係る所得は一時所得ではなく譲渡所得であるとした事例
- 不動産の売買価格の認定において、原処分庁が根拠とした関係人の答述等は内容に不一致が多く信ぴょう性がないとし、請求人の答述を採用し、原処分の一部を取り消した事例
- 遅延損害金債務の債務免除益について、「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合」に該当しないとして、所得税基本通達36−17《債務免除益の特例》は適用されないとした事例
- 請求人が時効取得した旧国有地の時価(一時所得の収入金額)は、国有財産評価基準に基づき評価した価額とするのが相当であるとした事例
- 買主が売主に交付する金銭の額と買主が負担する売主の譲渡所得税相当額との合計額をもって土地の売買価額とする旨の特約条項付の売買契約に係る「売買価額」を一定の算式により計算し、その計算後の価額が著しく低い価額の対価の譲渡に該当するとした事例
- 土地建物の譲渡に際し、架空の中間譲渡人を介在させて譲渡収入金額の圧縮を計ったとして、最終買受人の購入価額を譲渡収入金額と認定した原処分を相当と認めた事例
- 本件土地の買主をG社、売買価額を17,130万円と認定した本件更正処分及び重加算税の賦課決定処分は適法であるとして、請求人の主張を排斥した事例
- 固定資産を交換した場合の譲渡収入金額について、当該取得資産の状況類似地域における売買実例価額を基として算定すべきものであるとした事例
- 海外の顧客との商取引は請求人の売買取引ではないから、海外から送金を受けた金額は請求人の収入になるものではなく、コミッション相当額のみが収入金額であるとの請求人の主張が排斥された事例
- 不動産の賃貸借契約に係る保証金のうち、契約解除に伴い返還を要しないこととされた金額は、不動産所得の収入金額であり、臨時所得に該当するとした事例
- 本件土地の売買に際し、請求人は確定申告した売買代金以外にも金銭を受領した事実があるとしてなされた更正処分について、その事実を認めるに足りる証拠はないとして、その全部を取り消した事例
- 土地賃貸借契約の存否の争いに関する慰謝料名義の金員について、その実質は、貸地の権利金であると認定した事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。