請求人の本件不動産の譲渡による所得は、営利を目的として継続的に行ったものと認めるのが相当であるから、譲渡所得に該当せず、かつ、その売買は、社会通念上事業と認めるに足りないので、事業所得ではなく雑所得に該当するとした事例
[所得税法][所得の種類][雑所得]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1988/06/23 [所得税法][所得の種類][雑所得]裁決事例集 No.37 - 48頁
請求人は、本件不動産は不動産賃貸業の用に供していたものであり、また、本件不動産を譲渡したのは、より条件の良い賃貸物件の取得及びローンの負担の軽減を図るためであり、その結果として売買回数が多くなり、所有期間が短くなったにすぎず、したがって、本件不動産の売買は、売買による営利を目的としたものではなく、賃貸経営を目的としたものであるから、本件不動産の譲渡による所得は譲渡所得とすべきであると主張するが、請求人は、[1]いわゆるワンルームマンションを主とする不動産の購入及び売却をして売買利益を得ており、また、受領した売却代金の大部分と多額の借入金で新規の不動産を購入するなどして、相当数の不動産の売買を繰り返していること、[2]売却した物件の所有期間は極めて短期間であること等から、営利を目的として継続的に本件不動産の譲渡を行ったものと認めるのが相当であるから、本件不動産の譲渡による所得は、所得税法第33条第2項第1号の規定により譲渡所得に該当せず、事業所得又は雑所得に該当するところ、請求人は、不動産の売買取引のあっせん及び仲介をしたことがなく、その取引の仲介を不動産業者に依頼していること、不動産取引のための雇人及び物的施設も有していないこと、別会社の代表取締役の地位にあることを総合勘案すると、請求人が行った不動産の売買は、社会通念上事業と認めるに足りないので、雑所得に該当すると解するのが相当である。
平成元年6月23日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 請求人の本件不動産の譲渡による所得は、営利を目的として継続的に行ったものと認めるのが相当であるから、譲渡所得に該当せず、かつ、その売買は、社会通念上事業と認めるに足りないので、事業所得ではなく雑所得に該当するとした事例
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