所得税更正処分等取消請求控訴事件(原審・名古屋地方裁判所平成16年(行ウ)第75号(甲事件),平成17年(行ウ)第38号(乙事件))|平成19(行コ)22
[所得税法][譲渡所得][租税特別措置法]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
平成20年12月18日 [所得税法][譲渡所得][租税特別措置法]判示事項
都市計画公園の事業予定地の指定を受けた土地を都市計画法56条1項に基づいて市に売却した対価について,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前)33条の4第1項による収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除が適用されるものとして確定申告をした者がした,前記売却は,前記特別控除の対象とならないとしてされた更正処分の取消請求が,認容された事例裁判要旨
都市計画公園の事業予定地の指定を受けた土地を都市計画法56条1項に基づいて市に売却した対価について,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前)33条の4第1項による収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除が適用されるものとして確定申告をした者がした,前記売却は,前記特別控除の対象とならないとしてされた更正処分の取消請求につき,都市計画法56条1項の「55条1項の本文の規定により事業予定地内において建築許可がされないときはその土地利用に著しい支障をきたすこととなることを理由として,当該土地を買い取るべき旨の申出があった場合においては」とは,文理解釈だけではなく,実質的に考えた場合にも,「55条1項の本文の規定により事業予定地内において建築許可がされないことを理由として,土地の買取を申し出た場合には,」という趣旨を意味するものであり,「事業予定地内において54条の許可基準に適合する建築物を建築することを計画しても,そのような建築物の建築の許可もされない状況にあるので,これを理由に買取申出をした場合には,」という程度で足りるというべきであり,地権者において具体的な建築意思までは必要ではなく,買取を求めるとの意思が明確であれば足り,これをもって同法56条1項の要件を満たすと解され,地権者において現実に同法53条1項所定の建築許可の申請をしたが不許可となったこと,及び同申請につき地権者が具体的建築意思を有することは,いずれも前記対価につき前記特別控除を受けるための要件ではないと解するのが相当であるとした上,前記市が,用地の確保を円滑に進めることを目的として,あらかじめ都市計画施設の区域内の地権者が買収に応ずる意思を有しているか否かを個別に確認し,その意思がある地権者から買取りの申出を受けた上,買収資金の予算措置を講じた時点で,同法55条1項に基づき当該地権者の所有する土地を事業予定地に指定し,これを地権者に連絡して同人に前記特別控除の適用を受けさせるべく,同法53条1項の規定に基づく建築許可申請をするよう指導し,これを不許可とした上,同法56条1項により前記市が買い取るという方式による運用を長期間にわたって行ってきており,前記売却もこの運用に沿って行われたものであり,前記特別控除の要件を充足するとして,前記請求を認容した事例- 裁判所名
- 名古屋高等裁判所
- 事件番号
- 平成19(行コ)22
- 事件名
- 所得税更正処分等取消請求控訴事件(原審・名古屋地方裁判所平成16年(行ウ)第75号(甲事件),平成17年(行ウ)第38号(乙事件))
- 裁判年月日
- 平成20年12月18日
- 分野
- 行政
- 全文
- 全文(PDF)
- 裁判所:行政事件裁判例
- 所得税更正処分等取消請求控訴事件(原審・名古屋地方裁判所平成16年(行ウ)第75号(甲事件),平成17年(行ウ)第38号(乙事件))|平成19(行コ)22
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