子会社の代表取締役に就任した使用人兼務役員に支払った使用人分給与を子会社に対する寄付金と認定したことは相当でないとした事例
[法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1985/11/21 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]裁決事例集 No.30 - 169頁
原処分庁は、請求人の取締役営業部長が子会社の代表取締役として同社の経営に従事していたことは明らかであり、また、同人が子会社と請求人双方の業務を兼ねていたとしても、請求人の使用人としての職務に常時従事することはできないと認められるので、同人は請求人の使用人兼務役員とはなり得ないものであって、請求人が同人に支払った使用人分給与は子会社に対する寄付金となると主張するが、同人は、子会社の代表取締役に就任した後においても子会社の経営に参画し、その業務に従事していたものと認めることはできず、請求人の使用人兼務役員として業務に従事しており、その職務が就任前と格別異なるところは認められず、役員としての報酬及び使用人としての給与も、特別に増額されていないことが認められるから、本件使用人分給与を子会社に対する寄付金と認定したことは、相当でない。
昭和60年11月21日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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