相続税の延納担保財産の差押えが適法であるとした事例
[国税徴収法][差押え][各種財産に対する差押え]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2003/04/23 [国税徴収法][差押え][各種財産に対する差押え] 請求人らは、滞納者Jは延納担保として提供していた本件不動産より容易に換価可能な財産を所有しており、請求人らが、このことを指摘しているのであるから、このような場合には、本件不動産について差押えをする前に、まず、J所有の財産を差し押さえるべきであり、原処分庁が本件不動産の換価を急ぐのは合理性を欠く旨主張する。
しかしながら、請求人らは、本件不動産をJの滞納国税の担保として提供しているいわゆる物上保証人であるところ、物上保証人は、民法第453条に規定するいわゆる検索の抗弁権を有しない。
また、国税通則法第52条第1項は、延納を取り消したときは、その担保として提供された財産を滞納処分の例により処分して、その国税及び当該財産の処分費に充てる旨を、同条第4項は、同条第1項の場合において、担保として提供された財産の処分の代金を同項の国税及び処分費に充ててなお不足があると認めるときは、税務署長は、滞納者の他の財産について滞納処分を執行する旨規定している。したがって、仮に、滞納者Jが本件不動産より容易に換価可能な財産を所有しているとしても、まず、担保として提供された財産である本件不動産を処分しなければならないのであり、原処分は、上記法令の規定に従った合理的な処分であるから、請求人らの主張には理由がない。
平成15年4月23日裁決
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