法人の特別償却や税額控除(投資促進)で節税
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各年分の収入金額は、請求書控え及び預金通帳で十分把握し認識することができたにもかかわらず、毎月の収入金額をすべて600,000円に圧縮し、その金額を上回る部分を除外したところで、過少な課税標準額を記載した内容虚偽の申告書を作成して提出した行為は、事実の隠ぺいに該当するとした事例

[国税通則法][附帯税][重加算税][隠ぺい、仮装の認定]に関する裁決事例(国税不服審判所)。

裁決事例(国税不服審判所)

1997/11/26 [国税通則法][附帯税][重加算税][隠ぺい、仮装の認定]

裁決事例集 No.54 - 83頁

 請求人は、みなし法人課税を選択し、平成4年分までその適用を受けていたものである。
 みなし法人課税の制度は、所得が連年一定であれば、事業主報酬の金額を調整することにより、節税が可能であるものの、所得の変動が多い場合には、税額の負担割合は通常より高くなる可能性を含んでいる。
 したがって、この制度を選択するに当たっては、自己の事業を的確に予測する能力と通常以上の適正な記帳が必要となり、申告に当たっては高度な計算手続が要求される。
 ところが、請求人は、収入金額を定額の月600,000円としか記帳しないのみならず、4年間にわたって総収入金額を7,200,000円と記載した確定申告書及び所得税青色申告決算書を提出していたことが認められる。このことは、確かに請求人が主張するように二重帳簿ではないけれども、実際の総収入金額を計上した場合には、請求人の負担が高くなることを認識していたと認められる。
 しかも、計上した収入金額と実際の収入金額との差額の総収入金額に占める割合は、平成4年分22.2パーセント、平成7年分では34.2パーセントに達する。
 以上のことから、7,200,000円を超えた金額は、請求人の主張するような単なる計上ミスというより、売上除外とみるのが相当であり、請求人が4年間の長きにわたって行った経理処理は、過少の申告が発生することを認識して行っていたものと認められ、事実の隠ぺいに該当する。
 収入金額の3割程度の給与所得控除相当額を収入金額から控除して記帳するものと誤解していたとの請求人の主張は、4年間の総収入金額が7,200,000円と一定であることからすると不自然であり、また、税務調査の際に、税務職員の質問調査を受忍して帳簿書類等を提示するのは、法に定められたことであるから、請求書控えや預金通帳を提示したことをもって仮装、隠ぺいがないとはいえない。
 重加算税の賦課決定処分をするに当たり、その理由を納税者に説明しなければならない旨定めた法令の規定はなく、説明するか否かは調査権限を有する税務職員の合理的な判断に委ねられていると解するのが相当であるから、請求人の主張する違法はない。
 なお、本件調査は、所得税法234条の規定に基づく質問検査権の行使であり、行政手続法の適用除外に該当する。
国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
各年分の収入金額は、請求書控え及び預金通帳で十分把握し認識することができたにもかかわらず、毎月の収入金額をすべて600,000円に圧縮し、その金額を上回る部分を除外したところで、過少な課税標準額を記載した内容虚偽の申告書を作成して提出した行為は、事実の隠ぺいに該当するとした事例

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