債権差押処分取消請求事件|平成12(行ウ)74
[国税徴収法]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
平成12年12月21日 [国税徴収法]判示事項
1 国税の滞納処分として行った債権の差押処分の取消しを求める訴えにつき,同差押処分における第三債務者の原告適格を肯定した事例 2 国税の滞納処分として行った債権の差押処分が違法であるとして同差押処分における第三債務者がした前記差押処分の取消請求が,棄却された事例裁判要旨
1 国税の滞納処分として行った債権の差押処分の取消しを求める訴えにつき,同差押処分における第三債務者は,同差押処分により,本来自由にし得る債務者への弁済を一方的に禁じられ,もともと弁済時までに生じるすべての事由をもって債務者に対抗し得る法的地位を有していたにもかかわらず,前記弁済禁止の派生的効果として差押時点以降に債務者との間で生じた事由は一切主張し得ないという私法上重大な不利益を受けることとなるのであるから,その法的地位に変動があるというべきであって,一般に,差押処分の違法性について判断を求めることにつき直接的な利益を有するものであり,同利益は行政事件訴訟法9条にいう法律上の利益に当たるとして,同人の原告適格を肯定した事例 2 国税の滞納処分として行った債権の差押処分が違法であるとして同差押処分における第三債務者がした前記差押処分の取消請求につき,滞納国税に係る差押処分においては,民事執行手続における差押命令と同様,債務者及び第三債務者を審尋することなく発令されることから明らかなように,被差押債権の存否は発令の要件とされていないのであるから,差押処分において存在しない債権が被差押債権とされたとしても,これは結果的に当該差押処分が実効性を有しなかっただけのことであり,差押処分の違法理由となるものではないというべきであるから,被差押債権が存在しないからといって,前記差押処分が違法であるということはできないとして,前記請求を棄却した事例- 裁判所名
- 東京地方裁判所
- 事件番号
- 平成12(行ウ)74
- 事件名
- 債権差押処分取消請求事件
- 裁判年月日
- 平成12年12月21日
- 分野
- 行政
- 全文
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- 裁判所:行政事件裁判例
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