あっせん手続等の一部が実施要領に従っていなかったとしても、そのことが特別控除の趣旨目的を滅却させるほど重大であるとまではいえない場合には、あっせん証明書が取り消されない限り、有効な証明書として特別控除の適用は認められるが、実体が伴っているかどうかの判断は最終的には課税庁の判断にゆだねられているとした事例
[租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][長期譲渡所得に係る課税の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2002/10/24 [租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][長期譲渡所得に係る課税の特例] 原処分庁は本件譲渡に係る農用地等の権利移動に係るあっせん手続が農水省通達(実施要領)に定める手続に沿ったものではないから農業振興地域の整備に関する法律(農振法)第18条の規定の趣旨に適合したものではなく、本件譲渡について本件特別控除を適用することはできない旨主張する。
本件特別控除は農振法第23条第1項及び第18条の各規定に該当することを前提とするものであるから、課税庁はその該当性の判断に当たり現実に行われた農業委員会のあっせん事業が上記農振法の各規定に基づいて適正に行われたものかどうかの調査を行う場合も当然にあり得るが、その場合であっても、上記法令に違反することがその趣旨目的を滅却させるほど重大であり、あっせん証明書が無効なものであると評価できる場合はともかく、証明書が取り消されない限り有効な証明書として本件特別控除の適用は認められると解される。
本件では、あっせん手続や証明書の発行手続に実施要領に従っていなかった点があったとしても、各認定事実によれば、このことが法の趣旨目的を滅却させるほど重大であり、あっせん証明書が無効なものであるとまでは認められないから、本件処分は取り消すのが相当である。
平成14年10月24日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- あっせん手続等の一部が実施要領に従っていなかったとしても、そのことが特別控除の趣旨目的を滅却させるほど重大であるとまではいえない場合には、あっせん証明書が取り消されない限り、有効な証明書として特別控除の適用は認められるが、実体が伴っているかどうかの判断は最終的には課税庁の判断にゆだねられているとした事例
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