請求人が行った土地の譲渡は、租税特別措置法第31条の2第1項に規定する「優良住宅地等のための譲渡」には該当しないとした事例(平成23年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成25年12月12日裁決)
裁決事例(国税不服審判所)
2013/12/12 [租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][長期譲渡所得に係る課税の特例]《要旨》 請求人は、譲渡した土地(本件土地)の譲受人(本件譲受人)が開発許可申請を行い、それに基づく開発許可を受け、本件土地の造成工事(本件造成工事)を業者に行わせていることから、実質的に本件造成工事を行っているのは本件譲受人であるので、本件土地の譲渡は、租税特別措置法(措置法)第31条の2《優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例》第2項第13号に掲げる土地の譲渡に該当する旨主張する。
しかしながら、請求人は、注文者として本件造成工事の請負契約をしてその代金を負担し、一方、請求人から請け負った業者が本件造成工事を行ったこと、開発許可を容易に得るために、建設業者である本件譲受人が、農地転用申請及び開発許可申請をしたこと、本件土地の所有権について、売買契約のとおり、開発許可に係る宅地造成がなされた後に請求人から本件譲受人に所有権が移転していること、請求人は所得税の譲渡所得の計算において、本件造成工事の代金を取得費に計上しており、本件造成工事が完了した後に本件土地を譲渡した旨の認識を表明したことが、それぞれ認められ、これらを総合すると、本件造成工事は、本件土地の所有者である請求人の負担と責任おいて行われたというべきであるから、本件造成工事を本件譲受人自らが行ったものではないと認められる。したがって、本件土地の譲渡は、措置法第31条の2第2項第13号に掲げる土地の譲渡には該当しない。
《参照条文等》 租税特別措置法第31条の2第2項第13号
《参考判決・裁決》 東京地裁平成13年3月29日判決(税資250号順号8869)
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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