請求人が損金の額に算入した上場有価証券の評価損について、当該有価証券の価額が著しく低下した事実はないとした事例
[法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][有価証券の評価]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1996/06/25 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][有価証券の評価]法人税法施行令第68条(資産の評価損の計上ができる場合)第2項第2号イに定める「有価証券の価額が著しく低下したこと」の具体的判断基準として、法人税基本通達9−1−7が、当該有価証券の当該事業年度終了の時における価額がその時の帳簿価額の概ね50パーセント相当額を下回ることとなり、かつ、近い将来その価額の回復が見込まれないことをいうものとする旨定めていることは、有価証券の評価損の損金算入要件として合理性がある。
本件の場合、請求人の有するN銀行株式の本件事業年度終了の時における価額は、帳簿価額に比して約40.21パーセント下落しているが、その後、N銀行の株価は上昇していること、N銀行の経常収益、預金、貸出金、一株当たりの純資産価額、自己資本比率等は、いずれも増加又は上昇していること、前期及び当期において債務超過の事実もないことから、「有価証券の価額が著しく低下したこと」には該当しないものと認めるのが相当である。
平成8年6月25日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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