第78条関係 条件付差押禁止財産|国税徴収法
基本通達(国税庁)
条件付差押禁止
(国税の全額を徴収することができる財産)
1 法第78条の「国税の全額を徴収することができる財産」とは、滞納者の差押えをしようとするときにおける滞納国税の全額を徴収することができる財産をいい、その財産の処分予定価額がその国税の全額以上である財産をいう。
なお、上記の「国税の全額を徴収することができる」かどうかの判定については、滞納国税につき既に差押えをした財産があるときは、その財産の処分により徴収できると見込まれる金額を除いたものにより判定するものとする。
(提供)
2 法第78条の「提供」とは、徴収職員が直ちに差押えができる状態におくことをいう(昭和32.6.26高松高判参照)。したがって、滞納者が提供しようとする財産の権利関係が明らかではなく又はその財産が著しく遠隔地にあるなどにより、調査するために日時を要する場合には、法第78条の「提供」には該当しない。
(その選択により)
3 法第78条の「その選択により」とは、滞納者の選択によることをいう。
条件付差押禁止財産
(第1号の財産)
4 法第78条第1号の「農業に必要な機械」等とは、現に農業を営んでいる者が、その機械等を差し押さえられることにより、現在程度の農業の継続維持に支障を来すと認められる程度に農業に関係を有する機械等をいう。したがって、例えば、現に農業に従事していない者の所有する機械等は該当しないが、農業を営む者の所有する機械等のうち使用人が使用している機械等は含まれる。
(農地)
5 法第78条第1号の「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいう(農地法第2条第1項、土地改良法第2条第1項)。この場合における「耕作」とは、一般に、土地に労力を加え、肥料を施して作物を栽培することをいう。
(採草放牧地)
6 法第78条第1号の「採草放牧地」とは、農地以外の土地で、主として耕作又は養畜のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう(農地法第2条第1項、土地改良法第2条第1項)。
(第2号の財産)
7 法第78条第2号の「漁業に必要な漁網」等とは、現に漁業を営んでいる者が、その漁網等を差し押さえられることにより、現在程度の漁業の継続維持に支障を来すと認められる程度に漁業に関係を有する漁網等をいう。したがって、例えば、現に漁業に従事していない者の所有する漁網等は該当しないが、漁業を営む者の所有する漁網等のうち使用人が使用している漁網等は含まれる。
(第3号の財産)
8 法第78条第3号の「職業又は事業の継続に必要な機械」等とは、4及び7に準じ、現に職業又は事業(農業及び漁業を除く。)に従事している者が、その機械等を差し押さえられることにより、現在程度の職業又は事業の継続維持に支障があると認められる程度に職業又は事業に関係を有する機械等をいう(昭和32.6.26高松高判参照)。
(その他棚卸しをすべき資産)
9 法第78条第3号の「その他たな卸をすべき資産」とは、商品、製品、半製品、仕掛品、副産物、建築用又は修理用資材(例えば、セメント、鉄くず、木材、レール、まくら木、電線、電柱、機械部品等)、消耗品(例えば、油、くぎ、包装材料その他事務用品等)、その他の貯蔵品等、会計処理上棚卸しをして現在量を確認するものをいう。
出典
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/chosyu/index.htm
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