No.2210 やさしい必要経費の知識 |所得税
タックスアンサー(国税庁)
※ 東日本大震災により被害を受けた場合等の税金の取扱いについてをご覧ください。
[平成27年4月1日現在法令等]
1 必要経費に算入できる金額
事業所得、不動産所得及び雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額です。
- (1) 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
- (2) その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
2 必要経費の算入時期
必要経費となる金額は、その年において債務の確定した金額(債務の確定によらない減価償却費などの費用もあります。)です。
つまり、その年に支払った場合でも、その年に債務の確定していないものはその年の必要経費になりませんし、逆に支払っていない場合でも、その年に債務が確定しているものはその年の必要経費になります。
この場合の「その年において債務が確定している」とは、次の三つの要件をすべて満たす場合をいいます。
- (1) その年の12月31日までに債務が成立していること。
- (2) その年の12月31日までにその債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
- (3) その年の12月31日までに金額が合理的に算定できること。
3 必要経費に算入する場合の注意事項
- (1) 個人の業務においては一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用(家事関連費といいます。)となるものがあります。
(例)交際費、接待費、地代、家賃、水道光熱費
この家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます。 - (2) 必要経費になるものとならないものの例
- イ 生計を一にする配偶者その他の親族に支払う地代家賃などは必要経費になりません。逆に、受取った人も所得としては考えません。
これは、土地や家屋に限らずその他の資産を借りた場合も同様です。ただし、例えば子が生計を一にする父から業務のために借りた土地・建物に課される固定資産税等の費用は、子が営む業務の必要経費になります。 - ロ 生計を一にする配偶者その他の親族に支払う給与賃金(青色事業専従者給与は除きます。)は必要経費になりません。
(注) 青色申告者でない人についての事業専従者控除の金額が、必要経費とみなされます。
- ハ 業務用資産の購入のための借入金など、業務のための借入金の利息は必要経費になります。
(注)不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地等を取得するために要した負債の利子の額は、不動産所得の計算上必要経費になりますが、不動産所得の金額が損失(赤字)となった場合には、その負債の利子の額に相当する部分の損失の額は生じなかったものとみなされ、他の所得金額との損益通算はできません。
- ニ 業務用資産の取壊し、除却、滅失の損失及び業務用資産の修繕に要した費用は、一定の場合を除き必要経費になります。
- ホ 事業税は全額必要経費になりますが、固定資産税は業務用の部分に限って必要経費になります。
- ヘ 所得税や住民税は必要経費になりません。
- ト 罰金、科料及び過料などは必要経費になりません。
- チ 公務員に対する賄賂などについては必要経費になりません。
- イ 生計を一にする配偶者その他の親族に支払う地代家賃などは必要経費になりません。逆に、受取った人も所得としては考えません。
- 1 東日本大震災により事業用資産や棚卸資産などに被害を受けた個人事業者の方には、被災事業用資産の損失、純損失の繰越控除及び被災代替資産の特別償却に係る税制上の措置があります(「東日本大震災により被害を受けた場合等の税金の取扱いについて(個人の方を対象とした取扱い)【事業用資産や棚卸資産などに被害を受けた個人事業者の方】」をご覧ください。)。
- 2 復興特別区域に係る税制上の特例措置として、事業用設備等を取得等した場合の特別償却又は税額控除、開発研究用資産を取得等した場合の特別償却又は税額控除及び被災者向け優良賃貸住宅を取得等した場合の特別償却又は税額控除があります。
また、被災代替資産等の特別償却の対象資産に二輪車等が追加されるとともに、特定激甚災害地域内における被災者向け優良賃貸住宅を取得等した場合の割増償却の措置があります。
(「東日本大震災により被害を受けた場合等の税金の取扱いについて(個人の方を対象とした取扱い)【東日本大震災に関する税制上の追加措置について(所得税関係)】」をご覧ください。)。 - 3 被災した個人の方について、債務処理計画に基づく減価償却資産等の損失の必要経費算入の特例措置があります。
(「東日本大震災により被害を受けた場合等の税金の取扱いについて(個人の方を対象とした取扱い)【東日本大震災に関する税制上の追加措置について(所得税関係)】」をご覧ください。)。
(所法37、45、51、56、57、所令96、所基通37-1、37-2、37-27、45-1、45-2、措法41の4、震災特例法6、7、10の2、10の5〜11の2、11の3の2)
参考: 関連コード
- 2100 減価償却のあらまし
- 1379 修繕費とならないものの判定
- 2075 専従者給与と専従者控除
- 2217 公務員に対する贈賄や、外国公務員に対する不正な利益の供与の取扱い
- 国税に関するご相談は、国税局電話相談センター等で行っていますので、税についての相談窓口をご覧になって、電話相談をご利用ください。
※ 下記の電話番号では、国税に関するご相談は受け付けておりません。
出典
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210
関連するタックスアンサー(所得税)
- No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- No.1100 所得控除のあらまし
- No.1905 労働基準法の休業手当等の課税関係
- No.1260 政党等寄附金特別控除制度
- No.1220 バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)
- No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例
- No.2260 所得税の税率
- No.1215 要耐震改修住宅を取得し、耐震改修を行った場合(住宅借入金等特別控除)
- No.1472 株式等以外の有価証券の譲渡による所得(総合課税)
- No.1382 立退料を支払ったとき
- No.1217 借入金を利用して省エネ改修工事をした場合(特定増改築等住宅借入金等特別控除)
- No.1904 給与所得者と電子申告
- No.1122 医療費控除の対象となる医療費
- No.2090 新たに事業を始めたときの届出など
- No.1184 扶養家族に寝たきりの老人がいるときの控除額
- No.1615 遺族の方が支払を受ける個人年金
- No.1210 マイホームの取得等と所得税の税額控除
- No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等
- No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
- No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
項目別にタックスアンサーを調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:タックスアンサーのデータを利用して作成されています。