No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|所得税
タックスアンサー(国税庁)
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[平成27年4月1日現在法令等]
1 概要
住宅借入金等特別控除とは、居住者が住宅ローン等を利用して、マイホームを新築、取得又は増改築等(以下「取得等」といいます。)をし、平成31年6月30日までに自己の居住の用に供するなど一定の要件を満たす場合において、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。
2 住宅借入金等特別控除の適用要件
居住者が中古住宅を取得した場合で、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができるのは、次の全ての要件を満たすときです。
(注) この住宅借入金等特別控除は、「居住者」が中古住宅を取得した場合に限って受けることができます。したがって、「非居住者」に該当する方が中古住宅を取得した場合は、住宅借入金等特別控除を受けることはできません。
- (1) 取得した中古住宅が次のいずれにも該当する住宅であること。
- イ 建築後使用されたものであること。
- ロ 次のいずれかに該当する住宅であること。
- (イ) 家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下であること。
(注) 「耐火建築物」とは、建物登記簿に記載された家屋の構造のうち、建物の主たる部分の構成材料が、石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造(軽量鉄骨造は含みません。)、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造のものをいいます。
- (ロ) 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるもの (耐震基準)に適合する建物であること(平成17年4月1日以後に取得をしたものに限ります。)。
(注) 「地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるもの(耐震基準)に適合する建物」とは、その家屋の取得の日前2年以内に耐震基準適合証明書による証明のための家屋の調査が終了したもの、その家屋の取得の日前2年以内に住宅性能評価書により耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)に係る評価が等級1、等級2又は等級3であると評価されたもの又は既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されているもの(住宅瑕疵担保責任法人が引受けを行う一定の保険契約であって、その家屋の取得の日前2年以内に締結したものに限ります。)をいいます。
- (ハ) 平成26年4月1日以後に取得した中古住宅で、(イ)又は(ロ)のいずれにも該当しない一定のもの(要耐震改修住宅)のうち、その取得の日までに耐震改修を行うことについて申請をし、かつ、居住の用に供した日までにその耐震改修(住宅耐震改修特別控除の適用を受けるものを除きます。)により家屋が耐震基準に適合することにつき証明がされたものであること(コード1215「要耐震改修住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」参照)。
- (イ) 家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下であること。
- ハ 取得の時に生計を一にしており、その取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者などからの取得でないこと。
- ニ 贈与による取得でないこと。
- (2) 取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
(注) 居住者が死亡した日の属する年又は家屋が災害により居住の用に供することができなくなった日の属する年にあっては、これらの日まで引き続き住んでいること。
なお、居住の用に供する住宅を二つ以上所有する場合には、主として居住の用に供する一つの住宅に限られます。
- (3) この特別控除の適用を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること。
- (4) 取得した住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。
(注) この場合の床面積の判断基準は、次のとおりです。
- イ 床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。
- ロ マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分(共有部分)については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断します。
- ハ 店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。
- ニ 夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。
しかし、マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する部分(専有部分)の床面積によって判断します。
- (5) 10年以上にわたり分割して返済する方法になっている中古住宅の取得のための一定の借入金又は債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること。
一定の借入金又は債務とは、例えば銀行等の金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先などからの借入金や独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、建設業者などに対する債務です。しかし、勤務先からの借入金の場合には、無利子又は1%に満たない利率による借入金は、この特別控除の対象となる借入金には該当しません。また、親族や知人からの借入金は全て、この特別控除の対象となる借入金には該当しません。
詳しくはコード1225(住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等)を参照してください。 - (6) 居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3、35条、36条の2、36条の5若しくは37条の5又は旧租税特別措置法37条の9の2)の適用を受けていないこと。
3 住宅借入金等特別控除の控除期間及び控除額の計算方法
住宅借入金等特別控除の控除額は、住宅ローン等の年末残高の合計額(住宅の取得対価の額(注1,2)が住宅ローン等の年末残高の合計額よりも少ないときは、その取得対価の金額。以下「年末残高等」といいます。)を基に、居住の用に供した年分の計算方法により算出します(100円未満の端数金額は切り捨てます。)。
- (注1) 平成23年6月30日以後に住宅の取得等の契約をし、その住宅の取得等に関し、補助金等(国又は地方公共団体から交付される補助金又は給付金その他これらに準ずるものをいいます。以下同じです。)の交付を受けている場合には、その補助金等の額を控除します。
- (注2) 住宅の取得等に際して住宅取得等資金の贈与を受け、「住宅取得等資金の贈与税の非課税」(措法70の2)又は「相続時精算課税選択の特例」(措法70の3)(以下、併せて「住宅取得等資金の贈与の特例」といいます。)を適用した場合には、その適用を受けた住宅取得等資金の額を控除します。
居住の用に供した年 | 控除期間 | 各年の控除額の計算(控除限度額) | ||
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平成13年1月1日から 平成13年6月30日まで | 15年 | 1〜6年目 年末残高等×1% (50万円) | 7〜11年目 年末残高等×0.75% (37万5千円) | 12〜15年目 年末残高等×0.5% (25万円) |
平成18年1月1日から 平成18年12月31日まで | 10年 | 1〜7年目 年末残高等×1% (30万円) | 8〜10年目 年末残高等×0.5% (15万円) | |
平成19年1月1日から 平成19年12月31日まで (注)控除期間について10年又は15年のいずれかを選択 | 10年 | 1〜6年目 年末残高等×1% (25万円) | 7〜10年目 年末残高等×0.5% (12万5千円) | |
15年 | 1〜10年目 年末残高等×0.6% (15万円) | 11〜15年目 年末残高等×0.4% (10万円) | ||
平成20年1月1日から 平成20年12月31日まで (注)控除期間について10年又は15年のいずれかを選択 | 10年 | 1〜6年目 年末残高等×1% (20万円) | 7〜10年目 年末残高等×0.5% (10万円) | |
15年 | 1〜10年目 年末残高等×0.6% (12万円) | 11〜15年目 年末残高等×0.4% (8万円) | ||
平成21年1月1日から 平成22年12月31日まで | 10年 | 1〜10年目 年末残高等×1% (50万円) | ||
平成23年1月1日から 平成23年12月31日まで | 10年 | 1〜10年目 年末残高等×1% (40万円) | ||
平成24年1月1日から平成24年12月31日まで | 10年 | 1〜10年目 年末残高等×1% (30万円) | ||
平成25年1月1日から 平成26年3月31日まで | 10年 | 1〜10年目 年末残高等×1% (20万円) | ||
平成26年4月1日から 平成31年6月30日まで | 10年 | 1〜10年目 年末残高等×1% (40万円) (注) 上記の控除限度額は、住宅の取得等が特定取得に該当する場合であり、それ以外の場合の控除限度額は20万円である。 |
※ 「特定取得」とは、住宅の取得等の対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等(消費税額及び地方消費税額の合計額をいいます。以下同じです。)が、8%又は10%の税率により課されるべき消費税額等である場合におけるその住宅の取得等をいいます。以下同じです。
4 住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続
住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続は、控除を受ける最初の年分と2年目以後の年分とでは異なります。
まず、控除を受ける最初の年分は、必要事項を記載した確定申告書に、次に掲げる書類を添付して、納税地(原則として住所地)の所轄税務署長に提出する必要があります。
なお、2年目以後の年分は、必要事項を記載した確定申告書に次の(1)の「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」(付表1や2が必要な場合はこれらの付表を含みます。)のほか、次の(3)の住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(2か所以上から交付を受けている場合は、そのすべての証明書)を添付して提出すればよいことになっています。
また、給与所得者は、控除を受ける最初の年分については、上記のとおり、確定申告書を提出する必要がありますが、2年目以後の年分は、年末調整でこの特別控除の適用を受けることができます。この場合、税務署から送付される「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」・「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を勤務先に提出する必要があります。
- (1) 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」 (注) 補助金等の交付を受ける場合(平成23年6月30日以後に住宅の取得等に係る契約を締結する場合に限ります。)や住宅取得等資金の贈与の特例の適用がある場合は、「(付表1)補助金等の交付を受ける場合又は住宅取得等資金の贈与の特例を受けた場合の取得対価の額等の計算明細書」、連帯債務がある場合には、「(付表2)連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」も必要です。
- (2) 住民票の写し ※ 住民票の写しの添付に当たっては、個人番号が記載されていないものを添付してください。
- (3) 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(2か所以上から交付を受けている場合は、その全ての証明書)
- (4) 家屋の登記事項証明書及び敷地を同時取得している場合は敷地の登記事項証明書
- (5) 売買契約書の写し等で、家屋(敷地を同時取得している場合は敷地を含む。)の取得年月日、取得対価の額、家屋の床面積が50平方メートル以上であること及び家屋の取得等が特定取得に該当する場合にはその該当する事実(平成26年分以後の居住分に限ります。)を明らかにする書類 ※ 平成23年6月30日以後に住宅の取得等の契約を締結した場合で、その住宅の取得等に関し補助金等の交付を受けている場合には交付を受けている補助金等の額を証する書類、住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けている場合には、住宅取得等資金の額を証する書類の写しも添付してください。
- (6) 上記2(1)の中古住宅に当たる場合で、その住宅借入金等が債務の承継に関する契約に基づく債務であるときは、その契約に係る契約書の写し
- (7) 上記2(1)ロ(ロ)に該当する家屋については、次のイからハまでのいずれかの書類
- イ 耐震基準適合証明書(その家屋の取得の日前2年以内にその証明のための家屋の調査が終了したものに限ります。)・・・建築士、指定確認検査機関等、登録住宅性能評価機関又は住宅瑕疵担保責任保険法人が作成。
- ロ 住宅性能評価書の写し(その家屋の取得の日前2年以内に評価されたもので、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)に係る評価が等級1、等級2又は等級3であるものに限ります。)・・・登録住宅性能評価機関が作成。
- ハ 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約(住宅瑕疵担保責任法人が引受けを行う一定の保険契約であって、その家屋の取得の日前2年以内に締結したものに限ります。)に係る付保証明書・・・住宅瑕疵担保責任保険法人が作成。
- (8) 上記2(1)ロ(ハ)に該当する家屋については、その家屋に係る耐震改修に係る次のイからホの書類などで、その取得の日までに耐震改修を行うことについて申請をしたこと、耐震改修により居住の用に供した日までに耐震基準に適合することとなったこと、耐震改修をした年月日及び耐震改修に要した費用の額を明らかにするもの
- イ 建築物の耐震改修計画の認定申請書の写し及び耐震基準適合証明書
- ロ 耐震基準適合証明申請書の写し(家屋の引渡しまでに申請が困難な場合は仮申請書の写し)及び耐震基準適合証明書
- ハ 建設住宅性能評価申請書の写し(耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)についての評価に限ります。)(家屋の引渡しまでに申請が困難な場合は仮申請書の写し)及び建設住宅性能評価書の写し
- ニ 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の申込書の写し及び既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類(住宅瑕疵担保責任法人が引受けを行う一定の保険契約に限ります。)
- ホ 請負契約書の写し ※ その住宅の耐震改修に関し補助金等の交付を受けている場合には補助金等の額を証する書類、住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けている場合には、住宅取得等資金の額を証する書類の写しも添付してください。
- (9) 給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票
【登記事項証明書を取得される方へ(法務局からのお知らせ)】
土地・建物の登記事項証明書の請求については、登記所の窓口での請求、郵送による請求のほか、自宅・会社等のパソコンからインターネットを利用してオンラインによる請求を行うことができます。オンラインによる請求は、手数料が安く、平日は21時まで可能です。
オンラインによる登記事項証明書の請求手続の詳細については、法務局のホームページをご覧ください。
5 注意事項
平成19年1月1日から平成20年12月31日までの間に居住の用に供した場合は、控除期間について10年又は15年のいずれかを選択することとなっています。
この選択により、10年又は15年のいずれかの控除期間を適用して確定申告書を提出した場合には、その後の全ての年分についても、その選択し適用した控除期間を適用することになり、選択替えはできませんのでご注意ください。
(措法41、41の2、41の2の2、措令26、措規18の21、措通41‐10〜12、41-23、41-34、震災特例法13、13の2)
参考: 関連コード
- Q1 住宅取得等資金の贈与を受けた場合
- Q2 非居住者期間中に住宅の購入の契約をした場合
- Q3 居住開始前に住宅の増改築をした場合
- Q4 (特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書等の交付
- Q5 (特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書を紛失した場合
- Q6 2か所から給与の支給を受けている場合の住宅借入金等特別控除
- Q7 年末残高等証明書が年末調整までに間に合わなかった場合
- Q8 確定申告書の提出期限
- 国税に関するご相談は、国税局電話相談センター等で行っていますので、税についての相談窓口をご覧になって、電話相談をご利用ください。
- No.2260 所得税の税率
- No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等
- No.1932 海外勤務者の不動産の売却と税務
- No.1382 立退料を支払ったとき
- No.2217 公務員に対する贈賄や、外国公務員に対する不正な利益の供与の取扱い
- No.1220 バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)
- No.1200 税額控除
- No.1500 雑所得
- No.1460 譲渡所得(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき)
- No.1263 認定NPO法人に寄附をしたとき
- No.1379 修繕費とならないものの判定
- No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算
- No.1399 新たに不動産の貸付けを始めたときの届出など
- No.2107 資本的支出を行った場合の減価償却
- No.1172 寡夫控除
- No.1190 配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか
- No.1376 不動産所得の収入計上時期
- No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)
- No.1520 金融類似商品と税金
- No.1490 一時所得
※ 下記の電話番号では、国税に関するご相談は受け付けておりません。
出典
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1214.htm
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