No.6501 納税義務の免除 |消費税
タックスアンサー(国税庁)
[平成27年4月1日現在法令等]
1 納税義務の免除
消費税では、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、納税の義務が免除されます(注1)。
この納税の義務が免除される事業者(以下「免税事業者」といいます。)となるか否かを判定する基準期間における課税売上高とは、個人事業者の場合は原則として前々年の課税売上高のことをいい、法人の場合は原則として前々事業年度の課税売上高のことをいいます。なお、基準期間が1年でない法人の場合は、原則として、1年相当に換算した金額により判定することとされています。具体的には、基準期間中の課税売上高を、基準期間に含まれる事業年度の月数で割った額に12を掛けて計算した金額により判定します。
課税売上高は、輸出などの免税取引を含め、返品、値引き、割戻しをした対価の返還等の金額を差し引いた額(税抜き)です。
なお、基準期間において免税事業者であった場合には、その基準期間中の課税売上高には、消費税が含まれていませんから、基準期間における課税売上高を計算するときには税抜きの処理は行いません。
新たに設立された法人については、設立1期目及び2期目の基準期間はありませんので、原則として納税義務が免除されます。
しかし、基準期間のない事業年度であってもその事業年度の開始の日における資本金の額又は出資の金額が、1,000万円以上である場合は、納税義務は免除されません(注2)。
詳細については基準期間がない法人の納税義務の特例を参照してください。
- (注1) 平成25年1月1日以後に開始する年又は事業年度については、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間(※)における課税売上高が1,000万円を超えた場合、当課税期間から課税事業者となります。なお、特定期間における1,000万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。
※ 特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間をいいます。
詳しくは、パンフレット「消費税法改正のお知らせ」(平成23年9月)をご参照ください。 - (注2) 「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、特定新規設立法人に係る事業者免税点制度の不適用制度が創設されました。
詳しくは、パンフレット「消費税法改正のお知らせ」(平成25年3月)(PDF/1,199KB)をご覧ください。
2 課税事業者を選択する旨の届出
免税事業者は、仕入れ等にかかった消費税額の控除ができないので、その還付は受けられません。
このようなことから、輸出業者のように経常的に消費税額が還付になる事業者等は、還付を受けるために課税事業者となることを選択することができます。
課税事業者となるためには、納税地を所轄する税務署長に「消費税課税事業者選択届出書」を提出することが必要です。
この届出書は原則として、適用しようとする課税期間の開始の日の前日までに提出することが必要です。
この届出書を提出した事業者は、事業廃止の場合を除き、原則として、課税選択によって納税義務者となった最初の課税期間を含めた2年間は免税事業者に戻ることはできません。
なお、免税事業者に戻る場合には、事前(前課税期間中)に「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出する必要があります。
ただし、平成22年4月1日以後に消費税課税事業者選択届出書を提出し、その届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日から2年を経過するまでの間に開始した各課税期間(簡易課税制度の適用を受ける課税期間は除きます。)中に国内において調整対象固定資産(注)の課税仕入れや調整対象固定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り(以下「調整対象固定資産の仕入れ等」といいます。)を行った場合には、その調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ消費税課税事業者選択不適用届出書を提出することができず、簡易課税制度を選択することもできません(詳しくは、パンフレット「消費税法改正のお知らせ」(平成22年4月)(PDF/3.68MB)をご参照ください。)。
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(注) 「調整対象固定資産」とは、棚卸資産以外の資産で、建物及びその付属設備、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産で一の取引単位の価額(消費税及び地方消費税に相当する額を除いた価額)が100万円以上のものをいいます。
届出書の詳細については消費税の各種届出書を参照してください。
(消法2、9、9の2、12の2、37、46、消基通1-4-5)
参考: 関連コード
- 6503 基準期間がない法人の納税義務の特例
- 6531 新規開業又は法人の新規設立のとき
- 6421 課税売上割合が著しく変動したときの調整
- 6629 消費税の各種届出書
- Q1 免税事業者の消費税の還付
- Q2 消費税課税事業者選択届出書の効力
- 国税に関するご相談は、国税局電話相談センター等で行っていますので、税についての相談窓口をご覧になって、電話相談をご利用ください。
※ 下記の電話番号では、国税に関するご相談は受け付けておりません。 - No.6451 仕入税額の控除の対象となるもの
- No.6909 税抜経理と税込経理の選択適用(個人の場合)
- No.6483 建設仮勘定の仕入税額控除の時期
- No.6551 輸出取引の免税
- No.6471 従業員の食事代の負担など
- No.6149 資産の貸付けの具体例
- No.6902 「総額表示」の義務付け
- No.6509 簡易課税制度の事業区分
- No.6355 課税売上げと課税仕入れ
- No.6214 身体障害者用物品に該当する自動車
- No.6367 貸倒れに係る税額の調整
- No.6359 値引き、返品、割戻しなどを行った場合の税額の調整(売上げに係る対価の返還等)
- No.6249 ゴルフ会員権
- No.6226 住宅の貸付け
- No.6421 課税売上割合が著しく変動したときの調整
- No.6613 免税事業者と仕入税額の還付
- No.6497 仕入税額控除のために保存する帳簿の記載内容
- No.6913 税抜経理と税込経理の併用と経理処理
- No.6137 課税期間
- No.6630 やむを得ない事情により課税事業者選択届出書等の提出が間に合わなかった場合
出典
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm
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