国内資産の国外販売及び輸入に係る課税関係|消費税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
A社はハワイで土産品販売店(現地法人)を営んでいますが、B社(内国法人)との間で国内配達業務委託契約を結んでいます。A社は、日本人にハワイでお土産を販売し、併せて日本国内の指定場所までの配送を引き受けますが、この配送に当たっては日本の倉庫にあらかじめ同一商品を輸出し、B社の倉庫に保管しておき、ハワイで販売した都度B社に連絡し、B社を通じて購入者の指定先に届けられる方法がとられています。
この販売は、国外取引となるのでしょうか、それとも日本にある商品を販売したこととなり、国内取引に該当するのでしょうか。
(注)
1 A社は、購入者に代金受領と引換えに預かり証を交付し、B社が日本で商品を配達した時に引き換えます。
2 A社は、配達依頼を受けた時でも、購入者に対して別送品申告書を税関に提出する必要がある旨の指導等は行っていません。
3 日本への輸入に当ってはA社が輸入申告名義人となって、一般の輸入手続により消費税を税関に支払っています。
4 あらかじめ商品を保管しているB社の倉庫は日本国内の倉庫(保税倉庫ではない)です。
【回答要旨】
国内取引に該当し課税取引となります。
(理由)
資産の譲渡が国内において行われたかどうかの判定は、当該譲渡が行われた時において当該資産が所在していた場所が国内にあるかどうかにより行うこととされています(法4一)。また、「資産の譲渡」とは、「資産につきその同一性を保持しつつ、他人に移転させること」とされています(基通5−2−1)。
照会事例の場合、土産品の売買契約はハワイ(国外)にて締結され、買主による譲渡対価の支払はなされていますが、目的物の引渡しは同地ではされず、既に日本国内に輸入されている同種同等の商品が引き渡されているものです。
このように同種の商品をあらかじめ日本国内に輸出し、国内配達業務契約を締結した内国法人に当該商品の管理を委託した上、ハワイにおける売買契約の成立の都度商品を買主に引き渡している取引経過からすると、ハワイにおける売買契約は見本品の提示による購入の申込みを受けたに過ぎないと解すべきであり、売買の目的物は、購入者に対する明示はしていないまでも、既に日本国内に輸入されている同種の商品であると認められます。
したがって、課税資産(当該商品)の譲渡は国内で行われていることから、当該取引は課税取引となります。
【関係法令通達】
消費税法第4条第3項第1項、消費税法基本通達5-2-1
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/04/05.htm
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