平成20年3月31日以前に契約した所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る規定損害金等の取扱い|消費税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
平成20年3月31日以前に契約した所有権移転外ファイナンス・リース取引について、契約期間終了前に次に掲げる事由に該当し、この取引に係る契約を解約した場合、賃借人が賃貸人に支払う規定損害金等は、消費税法においてどのように取り扱われるのでしょうか。
(1) 賃借人の倒産、リース料の支払遅延等の契約違反があったとき
(2) リース物件が滅失・毀損し、修復不能となったとき
(3) リース物件の借換えなどにより、賃貸人と賃借人との合意により解約するとき
【回答要旨】
(答)
平成20年3月31日以前に契約した所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る規定損害金等は、平成20年4月1日以後においても、従前どおり、問の(1)から(3)までの解約の理由によりそれぞれ次のように取り扱われます。
(1) 賃借人の倒産、リース料の支払遅延等の契約違反があった場合に賃借人から徴収する損害金
課税の対象とはなりません。
(2) リース物件が滅失・毀損し、修復不能となった場合に賃借人から徴収する損害金
課税の対象とはなりません。
(3) リース物件の借換えなどにより、賃貸人と賃借人との合意により解約する場合に賃借人から徴収する損害金
賃貸料として課税の対象となります。
(理由等)
損害賠償金のうち、心身又は資産につき加えられた損害の発生に伴い、その損害を補てんするものとして受けるものは、一般的に対価性がありませんから消費税の課税の対象になりません。
しかし、損害賠償金でも実質的に売買代金や貸付料などと同じ性格を有する場合には課税の対象となります。
平成20年3月31日以前に契約した所有権移転外ファイナンス・リース取引は、消費税法の取扱いにおいて、資産の貸付けとして取り扱われます。この所有権移転外ファイナンス・リース取引の契約期間満了日前に契約を解約する際に規定損害金が発生する場合があります。この規定損害金の取扱いは、その実質からみて次のとおり取り扱われます。
(1) 賃借人の倒産等により、賃貸人がリース契約に基づき契約を解約した場合に賃借人から受け取る損害金は、逸失利益の補償金であり、資産の譲渡等に係る対価に該当しないものと認められますから課税の対象とはなりません。
(2) リース物件の滅失等により、リース契約の終了事由に該当する場合に賃貸人が賃借人から受け取る損害金は、リース物件に加えられた損害の発生に伴い支払われるものであり、資産の譲渡等に係る対価に該当しないものと認められますから、課税の対象とはなりません。
(3) リース物件の借換えなどにより、賃貸人と賃借人との合意により解約する場合に賃借人から徴収する損害金は、当初契約の中途解約に基づき、リース期間の短縮とそのリース期間の変更に伴う各月の既払リース料の改定を合意したことにより、そのリース料に不足が生じたことによるリース料の増額修正の精算金の性格を有するものと認められますから、リース料として課税の対象となります。
【関係法令通達】
消費税法基本通達5-2-5
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/03/01.htm
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